掛川子ども劇場(準備会)
Vol.48 1984.3月号掲載 
定期的にやらなければ文化は育たない

 
掛川に4月から「掛川子ども劇場」が正式に発足する。今までは「磐田子ども劇場・掛川ブロック」として、ごく一部の人達だけが参加してきたが、生涯学習センターが出来たのを機に、橋本さんを中心に仲間の輪が広がり、昨年の11月24日に「掛川子ども劇場準備会」としてスタートした。

 観劇と自主活動の二本の柱を掲げ、年5回の例会を行っていく。観劇は、人形劇、歌、マジック、影絵など、自分達の希望するものを投票で決め、企画からすべてを会員の手で行っていく。会員制にするのは、会を継続させるためで、文化というのは定期的にやっていかないと育たないからだ。

 第一回目はM・メーテルリンク原作の「青い鳥」を人形劇団「プーク」が演じる。チルチルとミチルが幸福の青い鳥を探しに出かけて行くが、せっかく見つけた青い鳥も、捕まえると色が変わってしまったり、死んでしまったり…。ガッカリしたチルチルとミチルは、結局、自分の家に帰ってきて青い鳥を見つけるのだが、この劇では、幸福というのは自分の身近な所にあるのだということを教えてくれる。小さいときからこういった名作の人形劇や歌に触れさせることは、人間形成の上で大きな意味を持つ。

 人形劇団「プーク」は昭和4年に人形クラブという名称で結成され、その後、日本が戦争に向かって動き出していく中で、弾圧によって人形クラブという名称が使えなくなり、パンチ座とか人形工房と名称を変えながら活動してきた。ところが、戦争に反対していると言うことで、ついに昭和15年に解散させられたが、再び復活し現在に至っている。

 以前、学校で「プークを観る会」というのがあったが、先生方が中心だったため、お母さん方が入っていけず続かなかった。今度の「子ども劇場」は、お母さん方が中心となって生まれたので、かなり根強いものを持っている。

次第に輪が広がりつつある

 
昨年の11月から発足して、いろいろな方面からの呼びかけで会員も続々と増えている。富部、曽我、市街地、葛ヶ丘、城北と5っのサークルで発足したのが、東山口、倉真、粟本、吉岡、袋井と、次第に輪が広がりつつある。今回は保育園、小学校、幼稚園と全部回って先生方の協力も得た。子供会などから団体の申し込みもかなりあり、ワンステージの予定が急遽新たにスリーステージに変更した。思いがけないほどの反響である。

会員募集!!

 
今回は第一回目ということで会員以外でも自由に入れますが、次回からは完全な会員制となる。会員は3才から大人まで、それぞれに入会金200円と会費として毎月800円が必要。この会費は会を支えるための経費であり、この会費を納めれば年間5回の指定席がもらえる。

「掛川子ども劇場」の準備会は、掛川・小笠地区を中心に1,000名の会員を目標に頑張っているお母さん方です。流行の歌謡ショーでは文化は向上しません。目的を持ち、自分達で創り出す地域に根付いたこのようなグループの輪がどんどん広がっていくことを望みます。
◆準備委員会メンバー(略)