菊川映画サークル
Vol.44 1983.11月号掲載 
事務局:写真中央:松本さん
32年も続いている自主上映サークル

 1951年に発足して以来、32年間も続いているという菊川映画サークル。発足当時から残っている会員7名を含む現在の会員総数は116名。高校生から教師、自営業や会社員、主婦とその層も幅広い。現在中心となっている松本さんが大学生の頃、仲間と一緒に始めたのがきっかけとなって、今日まで続いているが、発足当時は映画全盛時代で、上映する映画は何でも良かったという。特別に会員を募らなくても人は集まった。しかし、廃(すた)れるのも早く、いろいろと大変な時期も通って来たようであるが、今は会員も増え安定している時期だという。

 菊川映画サークルは「歴史も長く、1980年代に入ってからは特に活発になっているので、営利を目的にやっているのではないか。」と勘ぐる人もいるようだが、内情は赤字で四苦八苦している。しかし、不定期ながらも積極的に機関誌を発行したり、現在は最低月1回の定例会(上映活動)を欠かさない。自分達で買い取ったフィルムも10本位あるという。

観たい映画が選べるからいい

 取材した日はちょうど「人間の壁」を上映中であった。普段は菊川町民集会所で行きなわれるが、時間の都合のつかない人達のために、サークルの事務局で上映してくれたりもする。1本の上映で集まるのは多いときで100人前後。しかし、最近上映したもので「典子は今」の時に500名位集まったそうである。チャリティを兼ねていたので、売り上げから経費を差し引いた分は、全て施設に寄付した。

それから、昔上映したもので「戦艦ポチョムキン」の時には、窓から入った人もいたほどの大入り。「時々、そういうことがあるんですよ。」とメンバーは笑う。最近はテレビでもいろいろな名画を放映しているが、やはりスクリーンで見るのとテレビでは迫力が違う。そして、なによりも自主上映の良いところは、自分達の見たい映画が自由に好きなときに選べることだ。

映画好き集まれ!新会員募集中

 当初は年4回のペースで活動していた菊川映画サークルも、1980年代に入ってからは最低月1回以上のペースで上映するようになった。1985年までには100本位の上映を予定している。国内外を問わず、優秀映画、不朽の名作と言われたりするものをどんどんやっていきたいと張り切っている。毎月上映するようになってからは会員も増え今年だけでも34名の新会員が入会した。会費は1回に付1,000円だが、会員が倍になれば500円にすることもできる。と言うわけで、菊川映画サークルでは新会員を募集中です。会費は機関誌代として100円。あとは映画を観るときに1,000円を払えばよい。

◆映画鑑賞の3大ポイント
(イ)菊川での内外優秀映画連続自主上映(毎月)
(ロ)浜松から島田までの映画館の新作が一般より安い料金で観られる
(ハ)菊川映画サークル所有フィルム活用上映
◆映画上映予定
10月29日・30日「ひろしま」
11月予定:チャップリン「キッド」/キートン「将軍」
12月予定:溝口健二監督「新平家物語」