NEW WAVE(サーフィンチーム)
Vol.33 1982.12月号掲載 
左上から:鈴木久秀・萩田寿彦・大場達也・大石喜久男・塩崎一良・近藤政二・鈴木重延・小沢忍
下左から:桑原文男・中島富美子・岩崎末喜・鈴木郁代・大庭務(敬称略)
ニューウェイブは今年の8月に結成されたばかりのサーフィンチームである。ニューウェイブ結成前は、全員他のチームに所属していたが、人数が増えすぎてバラバラになってしまったため、やる気のある連中だけが集まって新たに発足した。部長の岩崎さんは6年前に日本のサーフィンの本家本元の湘南からやってきた。サーフィン歴13年という大ベテラン。その他の人達も女性を除く全員が2年半から6年くらいの経験者ばかりだ。女性は夏だけだけど、男性は冬でも足袋に手袋、フルスーツを着て頑張っている。「海に休みはありません。」な〜んてカッコイイことを言ってくれました。とにかく根っからのサーフィン好きで、暇さえ有れば波乗りを楽しんでいる。全員一種の波乗り病にかかっているようである。

毎週日曜日には朝の5時集合

とにかく、波乗り病の人達の集団だから、朝早く起きるのなんて屁とも思わない。日曜日ともなると、朝の5時きっかりに集合場所に集まって出かけて行く。時々遅れてくる人もいるが、遅れた者は容赦なく見捨てられていく。日曜日に限らず平日でも、仕事前にちょっくら出かけて行く。少ない人でも週に1回、多い人は3〜4回行くそうである。平日でも波が良かったりすると、つい帰るのが惜しくなっちゃったりして…。こなこともごくたまに(これ書いとかないとまずいことになっちゃうから…)あるそうです。主なポイントは、チームのトレードマークにもなっている沈没船のある菊川河口の周辺。そして、月に1回はスポンサーでもある「南の風」を会場に会合を開く。ワイワイガヤガヤ賑やかである。

サーフィンの魅力はスリル感だ!

「いろいろスポーツをやったけど、サーフィンが一番面白いスポーツです。一度サーフィンを覚えちゃうと途中でやめる人って少ないdすね。体力に限界が来たとか、仕事の都合とかいう特別な理由がない限りやめる人はいないですね。スケートボードとかスキーなんかは、自分でコースを選べるけど、波乗りの場合、その波は1回こっきりしかない。1回1回違うっていうのがいいですね。スリルもあるし、一つの波を乗りきった満足感がたまらない。」部長の岩崎さんはサーフィンの魅力についてこんな風に語ってくれた。

サーファー族は、台風の前とか後の高い波をわざわざ狙っていくものらしい。それなのに、自分の背丈の2倍以上の波になると、谷底に落っこちるような感じで半分は恐怖心だという。なぜそんな危険を冒してまでも、と思うのは素人の浅はかさ、そのスリルが快感なんです。殆どの人が、波にのみ込まれたり、沖に流された経験を持っている。普通の人なら「もう海はコワイからイヤッ!」となるんだけれど、サーファーの場合は、波にのみ込まれても浮いた瞬間に恐怖心は消えてしまうという。
        

◆大石喜久男くん(24才・サーフィン歴4年6ヶ月)
サーフィンを始めたのは息切れ?!本当は友人に勧められたんだけど、今では麻薬と同じで海に入らないとムラムラしてくるそうである。一種のサーフィン中毒にかかっている大石君は週のうち5日位は海に入っている。

◆桑原文男くん
(23才・サーフィン歴2年6ヶ月)
「俺の兄さあがやっていて、連れて行って貰ったのがきっかけ。」という桑原君。すすめた兄さあは半年でやめちゃったそうである。サーフィンをやっている人で若い連中が意外に少ないのでもぅと若い人達に本気でサーフィンをやってもらいたいと願っている一人です

◆塩崎一良くん(25才・サーフィン歴4年)
「近藤君が友達とサーフボードを買いに行く途中出会って、一緒に見に行ったら何だか判らないけど自分も買っちゃった」という衝動買いの塩崎君。今では週に4日は海に行っている。

◆鈴木久秀くん(22才・サーフィン歴3年6ヶ月)
車の免許を取ったばかりの時に海へよく流しに行ったという鈴木君は、燃料代がもったいなくてサーフィンを始めた人。「どうせ海に行くなら、何かやりたかったと思いました。運が良かったのか悪かったのか、たまたま隣に住んでいたのが鈴木重延くんでした。

◆近藤政二くん(25才・サーフィン歴5年)
遅刻常習犯の近藤君は、しょっちゅう皆に置いてきぼりをくって拗ねている。「初めの頃はあんまり恐怖心がなかったので、大きい波でも乗ってたんだけそ、最近は恐くて避けている。専ら小さい波を相手に自然のママのスポーツに勤しんでおります。

◆中島富美子さん(20才・サーフィン歴6ヶ月)
「スエットスーツを買うお金がないので今は海に入っていません。」という中島さんは、ようやくバトリング(板の上に腹ばいになって沖に出る)が出来るようになったところなのに…。せめて、立てるようになるまでは絶対にやめません。あ〜あ、やりたい!」

◆岩崎末喜くん(28才。会長・サーフィン歴13年)
元湘南ボーイの岩崎君は、大会、大会とむきになって騒ぐよりも、のんびりとサーフィンを楽しんでいる方がイイという。「1年ぐらい前から、仕事の接待もあってゴルフを始めたんだけど。サーフィンに夢中になっているのでゴルフがちっとも上手くならない。」そうだ。

◆萩田寿彦くん(23才・サーフィン歴2年6ヶ月)
台風の前に行って、沖に流されて恐かったという萩田さんは「そんなコワイ思いをしても一度乗り出すとやめられません。頂点がないからやればもっと上手くなるんじゃないかという期待を持っちゃう。」得意技はローラーコースター(波の乗って横に走っていく)。

◆小沢 忍くん23才・サーフィン歴3年6ヶ月)
「やり始めて間もないときって、沖に出られないんですね、途中で引き返してくるんですが、そんな時は、チクショウと思います。来年結婚しますが、サーフィンはずっと続けていきます。」

◆鈴木重延くん
(24才・サーフィン歴6年)
「胆石で入院したことがあるんです。その時たまたま病室で一緒になったひとからいろいろ話を聞いて、サーフィンをやる気になりました。身体が弱くて病気ばかりしていたんですけど、今では風邪も引きません。」

◆大場達也くん(23才・サーフィン歴3年)
「同じ波は二度と来ないから、いつも挑戦するつもりでやっています。だから飽きがきません。今まで一番印象に残っているのは、初めて波の上で立てたときと、みんなで新島へ行ったときかな?楽しかったです。」

◆鈴木郁代さん(22才・サーフィン歴1年)
鈴木さんはチームの会計とか雑用を兼ねながらサーフィンを始めた。とはいうものの冬は寒いので夏だけ。ちっちゃい波を相手に、出来るだけ岸に近いところで遊んでいる。きっかけは、彼氏がやっているのを見て自分もやってみたくなったそうである。

◆大庭 務くん
(23才・サーフィン歴4年6ヶ月)
開口一番「目立ちたくて始めた」大庭くんは、サーファーのカッコ良さに憧れてサーフィンを始めたようである。