掛川コスモス
Vol.32 1982.11月号掲載 
左から:諸星充男さん・平出武義さん・斉藤沙智子さん
県下最強チーム!(家庭婦人ソフトボール)

秋から冬にかけてはスポーツするのに絶好のシーズンだ。ここ桜木小学校の校庭では、主婦だってちゃんとスポーツを楽しんでいるんです。主婦っていうと家庭があるから中途半端になりがちだってよく言われるけど、ソフトボールチームの「掛川コスモス」はもう5年も続いている。着実に実力を伸ばしているチームです。この掛川コスモスの始まりは、市の社会教育課で各地域からメンバーを集めて作られたのがきっかけとなった。しかし、案の定徐々に人数が減っていき、残った有志で新たにチームを作り直して、現在の掛川コスモスが誕生した。

チームのメンバーは殆どの人が昼間のつとめをもっており、家庭と勤めとソフトで休む暇も無い。それでも、やる気と家族の理解があれば出来ると言うことをここではちゃんと証明してくれるわけで、今時の若い者は見習いたいものだ。パチンコやテレビに明け暮れているようでは情けないぞ!頑張ってくれ。

県大会に2年連続出場!

夜間照明に照らし出された小学校の校庭に、威勢の良いかけ声と「カッキーン」という球を打つ音が響き渡る。普段夜はひっそりとして薄気味悪い校庭も今日は賑やかである。練習日になると、日坂や南西郷、下俣といった所からも、ここに集まってくる。秋の全国家庭婦人ソフトボール大阪大会に向けて練習に余念が無い。

さて、掛川コスモスは掛川唯一のママさんソフトボールチームで、結成5年にして、県大会2年連続出場し優勝している強力なチーム。特に今年の春の大会では、県の準決勝でエラーがらみの逆転負けをしたために、後楽園に行きそびれ、そのくやしさがぶつかって、夏の大会では逆に優勝という快挙を成し遂げた。県大会で優勝したので、今は11月4日から行われる大阪大会に向けて大張きりだ。

「春、後楽園にいけなかったのがすごく悔しかったみたいですよ」と平出監督。今回、もし決勝まで勝ち残れば11月4日から7日まで、3泊4日で行くことになるが、家庭の方は大丈夫かなって心配になるけど、そこはそれ、ご主人や家族の理解はバッチリだそうだ。

ソフトで90キロはスゴイ迫力!

メンバーの年齢巾は広く、28才〜48才。最年長者である48才の鈴木さんのポジションはセカンド。若い者には負けられぬと現役でバリバリに頑張っている。監督の弁によると「セカンドのポジションは鈴木さんの右に出る者はいない。」と太鼓判を押している。そして、エースは何と言ってもピッチャーの山城さん。山城さんの投げる球はスピードが速く県下一ではないかと言われているそうで、ピッチャーに懸ける期待は大きい。チーム全体の粘り強さとピッチャーの速球で、ぜひとも優勝して返ってきて欲しいものです。

チームワークはスポーツに一番大切な要素である。掛川コスモスも5年間の間に、色々なことがあったようである。しかし、優勝という結果が示している通り、現在のチームワークは最高潮なんだろうと思う。いろんなことを乗り越えながら現在の掛川コスモスが存在しているのである。チーム以外にも時には個人的に飲みに行ったりしてお互いの親交を深めているという。ただの主婦で終わらない所が良い。拍手喝采。
        

監督/平出武義(上垂木)・コーチ/諸星充男(下垂木)・主将/斉藤沙智子(本郷)・投手/山城加津子(東山)・捕手/杉山和子(東山)・内野手/山崎春子(下垂木)・鈴木まさ子(下俣)・甲賀正子(富部)・杉森房子(大野)・鈴木恵子(南西郷)・戸塚やす子(西郷)・広岡美智子(鳥居)・山本京子(下垂木) 外野手/松井雅子(領家)・宮崎ますみ(高田)・佐藤文子(倉真)・岩清水みさよ(城西)・今井みつ江(岡津)・杉村登喜子(松尾町)・石川弘子(上屋敷)(敬称略)