桜木ガブリーズ
Vol.30 1982.9月号掲載 
咬まれた傷跡
川隅弥寿吉君
堀内淳君
宮田康治君
細川隆章君
村松勝美君
弓桁克己君
坂元伸之君
荻田浩之君
守屋健君
犬に咬まれた!野球チーム

「桜木ガブリーズは2ヶ月間で2勝2敗という並の勢力を持つ野球チームです。台風の目である川隅監督を含めて9名全員が20才という若さ。今後、ますます力を付けて、掛川・小笠地区を荒らし回ると思いますので、厳重な注意が必要でしょう。天気予報を終わります。」なんちゃって。真面目に行きます。

結成したのは今年の5月5日の子供の日。全員大人入りしたにもかかわらず、精神的にまだまだ幼稚だからとかそんな深い意味は全くないんです。5月は連休が続いて「暇はあるけど金がない」と、何処も同じパターン。そこでお金の掛からないことをやろうと相談した結果、前々からやりたかった野球をやることに全員一致で決定。

とんだ思い違い

お金のない彼等が考えついた野球。ところが、道具を揃えたり、ユニフォームを作ったりで、結局はお金の掛かることばかり。全員、借金を背負いこむはめになったのです。しかし、彼等にはお金に換えられない大きなものが残りつつあります。当面はベスト8に残ることとC級からB級に進むことを目標に頑張っています。(人生これからまだ長いんだからあせらず気長に行こう!)

弓桁君は小学3年の時に、近所の犬に頭をガブリッとやられて大けが、写真はその時の傷であります。なぜかその時のことを、最近みんなが話題にし始め、「ガブリ」というあだ名までつけられてしまった。仲間内では流行語になっている。たまたまチーム名を付けるとき、話題の中心になっていたため「桜木ガブリーズ」という名前が全員一致で決定した。これがチーム名の由来であります。



監督:川隅弥寿吉さん
(20才)キャッチャー
野球歴7年という彼は、色が黒いのでビビンバというあだ名がついている。キャリアも実力も彼に勝る者はいない。彼がいなかったら0勝4敗となっている可能性大。温厚な性格でチームの中では一番まともな人間だそうです。(ほめすぎかな)

堀内淳也さん(20才)キャプテン兼ファースト
チームの中で一番時間にルーズな人間。しかし、一番権力があるチームを支配しているのは彼だといううわさ。(すぐに手を出すの?)「人を○○団みたいに言うな!実力者と言って欲しいね。」とは本人の弁。

細川隆章さん
(20才)セカンド
「野球の経験がないもんであまりうまくないけど、ライトの弓桁君よりうまいし。」という細川君は未だにいちども打ったことがなく三振ばかり。「似たりよったりじゃないの?考えることが幼稚くさくって、大ボラふき。」とは皆の声。

村松勝美さん(20才)レフト
経験は浅いがまあまあの実力者。彼の家が布団を売っているので、チーム全員に布団の押し売りをしているそうだが、皆冷淡な人間ばかりなので(?)まだ1枚も売れていないそうだ。女の子を見ると第一声を掛けるのは彼だそうだ。

田宮康治さん(20才)ピッチャー
「チームの今後の目標としては、掛川ではちょっと名前が売れている位にしたい。それには、ライトをなんとかしたい。だって、ライトは一度も球を拾ったことがないだもん。」

弓桁克己さん(20才)ライト
彼が噂の人物。チームで一番ヘタクソで、あだ名がチーム名になった「ガブリ君」。「守備もバッティングもへたなのでチームの人達に悪くて…。一生懸命練習してもう少しうまくなりたい。」(みんなも温かい目で見守ってあげようね。)

坂元信之さん(20才)センター
いたって真面目人間。チームの中では上手い方ですが、話題がないので次に行きます。

萩田浩之さん(20才)ショート
「根暗人間、陰気くさい。我慢強さがない」皆酷いこと言うな。だけど彼には実力があるので、将来有望な人材なのです。みんなの期待が一身に降りかかっているんだガンバレ!

守屋 健さん(20才)サード
「年寄りってひがみっぽいじゃん。彼の場合はすぐそれが出ちゃう。若いうちから。」というわけでチーム内の評価は「一番年寄りくさい」そのくせ、気が短くてすぐ怒るそうだ。性格より顔がジジくさいという声もあり。