掛川サッカークラブ KAFC
Vol.19 1981.10月号掲載 
掛川でサッカーを育て、今も活躍する男達

このチームの最年長者である山本氏が、掛川にサッカーチームが全くなく「自分達の活動の場がない」と、仲間をかき集めて出来たのが「掛川サッカークラブ」である。1969年(昭和44年)4月に結成以来12年間という歴史を培ってきた。現在、今年の新人を含めると30人近くの部員がいる大所帯。チームの采配を振るっているのは部長の鈴木一精さん。鈴木さんもまだ学生だった頃に、山本さんから声を掛けられた。S44年のリーグ戦の時「静岡県西部社会リーグ」に登録して3部からスタート。(1部、2部、3部と分かれていて1部が一番ランクが高い)必死の努力が実って、結成以来4年目にして1部に昇格することが出来た。静岡県下でもレベルはかなりいい線行っている。取材のあった今日も浜松の「和光クラブ」と試合をして6対0という好成績を収めてきた。

サッカーは全身のスポーツだ

サッカーの良さは、広いコートの中を全身で駆け巡ることだ。一つのボールを追って、11人全員がゲームの流れを見ていなければならない。「野球なんかの場合と違って、試合中はどんなにボールが遠くにあっても、そのボールの動きや自分のマークしている相手にも目を光らせていなければならないから、ほとんど気が抜けない。」という。ハードスポーツのため試合が終わるとドッと疲れが出るそうだ。1試合で体重が2〜3kgも減ってしまうが「それでも最高にすばらしいスポーツだ!」と全員口を揃えて言う。スポーツの中でも最もエネルギーを消耗するスポーツの一種である。22〜23才くらいまでは自分の思い通りのプレイが出来るが、それ以降になると「口の方が先に出て、身体の方がついていかない」と年配者は嘆く。もっとも、毎日練習していれば別だが、試合の時しか動かないのも原因の一つかもしれない。

天皇杯に出ることの出来る出場権もあるんだ!けど出られない

昨年1部リーグ戦で優勝、件の2部入れ替え戦に出場。S48年頃には浜松の「市長議長杯」で準優勝等、輝かしい実績を持つチームである。天皇杯に出場できる出場権を持っているのに、お金がかかるので出られないと言う。クラブチームの悲しさで、バックアップしてくれるスポンサーがないために、実力を試す場を与えられない。それよりももっと辛いのは、「練習する場所さえない」と嘆くメンバー達。彼等は試合のあるときでも練習をしたことがない。即、実践に臨むのである。他のチームからは「練習もしないのにすごいなぁ」と羨望の目で見られる。練習が思い通りに出来るようになったら、どんなチームに育っていくのだろうか。

新メンバーを募集中

若いメンバーをこれからもどんどん入れていくそうだ。今のメンバー構成は、掛川在住もしくは掛川の学校で学んだ人たちで構成されている。クラブ費として年会費1万円。入会費は不要。その中から各自のユニフォームを支給してくれます。また、年一回忘年会を兼ねて反省会をやっています。エネルギーの有り余っている若者はどんどん入会して下さい。


1981年9月15日現在のメンバー:部長/鈴木一精・監督/藤原 実・主務/川中道夫・主将/花島 博・BK/田辺 守・GK/山崎 保・FW/藤原 実・FW/藤原千秋・BK/川中道夫・HB/児玉増夫・BK/石原道保・HB/大場貞二・FW/森竹真義・HB/松浦芳美・BK/加茂光正・HB/花島 博・FW/原田直己・HB/中山永好・HB/戸塚 年・HB/佐藤 弘・FB/内山知久・GK/松浦智浩・FW/松村菊雄・FW/伊藤正寿・FW/松浦寿男・HB/高橋靖彦・FW/山崎訓史・他新人7名