自然派SOHOの田舎暮らし快適実践術
メールマガジン「八ヶ岳の里から」バックナンバー
《第86号》2012年12月5日発行
◆たぬきのためふん
◆すずめの家族
◆この冬の初めはこの時期には滅多にない雪が降り積もりました。
暖冬予想だったのが一転して「寒い冬になる」に変わり、その予想通りに氷点下8度になる朝もありました。まだ始まったばかりの冬。今後このままで行くと予想以上に薪が減るのではないかと気がかりです。

  ◆いろいろな里山の出来事

《たぬきのためふん》


夕方、ころころと太った(そのように見える)一頭のタヌキが我が家の西の斜面を獣道に沿って駆け上がって来て北の松林に入っていきました。数十秒後、もう一頭が後を追うように道草をしながらトコトコ来ましたが、道を間違え下の畑の方に向かって走っていきます。途中で気がつき引き返して同じ獣道をたどって松林に入っていきました。

先に行ったタヌキの臭いが目安なのでしょう。それにしてはドジなタヌキでしたが引き返したことは臭いを追ってのこと。イヌ科なので多分そうに違いありません。

このタヌキのペアは、南のいま私が暇なときに間伐している林にもその痕跡を残しています。

木を切り始めた当初林の中程に犬のような糞のかたまりがありました。間違えて踏みつけてはいけないと思い倒木の丸太でで1メートル四方位に囲んでおきました。

次の日、その糞の近くにまた新しい糞がありました。めんどくさいなと思いながら、さらに周りに杭(落ちていた枝)を四方に埋め込みました。

次の日、その囲みから数十センチ離れた場所にまた糞があります。仕方がなく、杭を十センチ間隔で周りを囲うように埋め込みました。もちろん阻止するためではなく、木を倒したときにそこに行かないように、枯れ葉も散ってきたのでここにあるよという踏んずけないための目印です。

いよいよここの付近の間伐です。5本の木が数十センチそばに生えています。

太さは7〜8センチ高さは7メートルくらい。ひょろひょろと成長しているので、手鋸で倒す方の逆から3分の2ぐらいに切り口を入れながら少しずつ手で押して倒す方向に傾け、あとは一気に切り込みます。ガサガサ枝が他の木に当たりながら折れ音を立て思った方向に倒れました。

こうして周りの木を伐採しタヌキのため糞の場所が広くなりましたが、こんなに周りが見えるようになっても、またここでするのかどうかと思いながら、その近くに切った木を置く場所を作っておきました。

次の日、そこには新しい糞がありませんでした。

そう思うと少し気が楽になり奥へ進みながら間伐を続けていきました。切った木を長さを2メートル50センチぐらいにして積み上げておきます。そういう場所を3ヶ所つくりました。

間伐して枝を払って定尺に切っては積み上げの繰り返しです。一部は太かったのでチェーンソーを使いましたが半分以上は手鋸作業でした。

半ば終わったところで暫く間伐は休止。数週間後、運び出し作業にかかり、その場所をまず先に見に行きました。

例のタヌキの糞は、しっかりと増えています。

林が静かになったので、またここにためているようです。臆病といわれるタヌキ。実際は君子危うきに近寄らず。昼間に人が何かをしていることもお見通しなのでしょう。かなりの環境変化だと思いますがそんなことはお構いなしのようです。そこが里山のタヌキ、「狸」けもの編に里。

人との関わり合いが深く(慣れている)夜行性で人とは出合いにくい逆のサイクルで生きているということがよく分かりました。


《すずめの家族》

今年の春、ヤマガラやシジュウカラが数度となく巣立った古いバードハウスに雀が巣作りし、4、5羽が孵りました。その後夏にはほとんど姿を見せなかったのが、秋になり十数羽が来るようになりました。

稲刈りがはじまるまえからここを拠点として、田んぼのある方面に飛んで行く姿が目立つようになってきました。

そして、冬の到来です。雀たちは毎朝台所の換気扇の排煙口のそばに来ます。ピーチクパーチク。食事当番の私は換気扇のスイッチを入れるのに戸惑います。

換気扇の外にオイルトラップなる板を打ち付けてあるのですがどうやらそこにみんな集まっているようです。

たぶん外に溜まったオイルを食べに来ているのだと勝手に思っていますが、食べているところを目撃していないのでこれは想像の範疇です。

数羽しか入ることが出来ない西壁面にあるバードハウス以外に何処に寝床があるのか分かりません。これも多分ですがその上の軒下にある二つのスズメバチの巣の中ではないかと思っています。直径30センチ以上で下から見上げると穴が数カ所開いています。(スズメバチの古巣に以前シジュウカラが巣を作り子育てしていたことがあるのでそう思っています。)

そんな中、バードテーブルにひまわりの種や小鳥用の餌を置く時期が来ました。クリスマスイブの朝に手のひらいっぱいの餌を置きました。毎年この時期に始めるので、その前から小鳥たちが毎朝のぞいていきます。今日は餌があるので数羽のシジュウカラやヤマガラが飛んできては持ち帰りを繰り返しています。

暫くして、雀たちも気がつき、バードテーブルを占拠しはじめました。それほど餌には興味がないようで必死に食べている様子もうかがえません。止まり木にいたり太陽の光にあたって休んでいるようにも見えます。

彼らが来るとヤマガラたちは近づけません。直ぐ下の地面にこぼれた種をさがしながら雀の様子を覗っています。しかし、少しでも雀に隙があれば、一瞬のうちにひまわりの種をくわえて飛び去ります。それは素早く、近くでのほほんとしている雀も一瞬なのでわかりません。

そして、十数分がたちほかのヤマガラが増え始めました。シジュウカラも増えだし、雀たちの数を上回りはじめました。

雀はこの場所を明け渡し、南の田んぼのある方へ飛んでいきました。田んぼには落ち穂などがあり、鹿や猿が食べている姿が時々見られます。雀も米の方が好物なのでしょうか。

雀が帰ってきましたが、もうバードテーブルには関心がないようです。日当たりのよい楢の木の上方の葉の落ちた枝にとまって気持ちよさそうにしています。その間も、ヤマガラたちは様子をうかがいながら速攻でひまわりの種をくわえて飛び去っていきます。

雀の方が今はいろいろと恵まれているように思いますがこの抗争?はいつまで続くのでしょうか。


【編集後記】

今年も後わずかになりましたが同時に燻製の季節です。先日の寒かった三日間に牡蠣の燻製をしました。少し早いようですが、しっかりした牡蠣が手に入ったので急遽スモーク。塩味を濃いめにしてヒッコリーで香り付け。とても美味しくできあがりました。これからはベーコンや鶏も安心して出来る季節ですので、この冬をゆっくりのんびり楽しんでみたいと思います。それでは皆様、よい年をお迎えください。来年もよろしくお願いいたします。

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