自然派SOHOの田舎暮らし快適実践術
メールマガジン「八ヶ岳の里から」バックナンバー
《第72号》2010年10月15日発行
◆いろいろな里山の出来事(七年目の御柱祭の小宮のお祭り)
◆ 今年のきのこ
◆秋になりちらほら紅葉もはじまりました。敷地内にある山桜の落葉が激しく毎日の落ち葉掃きがかかせません。


  ◆いろいろな里山の出来事

《七年目の御柱祭の小宮のお祭り》


今年は諏訪大社の御柱祭でした。富士見町は上社の曳行で本宮二之御柱を担当しました。諏訪地方の人たちにとっては、愛好会があるほど熱が入る祭りです。

この祭りは、巨木を切り出し人力で曵いて諏訪大社に立てるまでに行われる各段階での催事がお祭りの中心になります。とりあえずは諏訪大社の御柱祭のざっくりした流れです。

切り出す木は御小屋山という大社の樅の木があるところなのですが、巨木が不足しているので数回前からは蓼科等の国有林からの切出しになったそうです。祭りの2年前から切り出す樅の木の仮見立てが行われ、1年前に本見立てを行って、見立てた8本のどの木を曵くのかの抽選式が祭りの当年の2月15日に行われます。

そして、御柱を曵く太い綱を編む網打ちが行われ、木々の伐採が行われ原村の綱置き場まで運ばれます。ここからが、山出し祭りの始まりです。4月の初め、御柱を大勢の人々が綱を引き2日間にわたり、木落しや川越しなどで盛り上がりながら、御柱屋敷というところまで曵いて行きます。

そして、1ヶ月後の5月の連休にそこから再び曳行され諏訪大社に着き、御柱を建てる建御柱が行われ終了します。

御柱の大祭は終わりましたが、今度は諏訪地方の各地で行われる小宮の祭りが秋祭りのごとく開催されます。ここ富士見町の田端地区は9月26日に行われました。

小宮祭りなので規模は小さいのですが、行う事は大社と同じ手順のようです。御柱に成る木は地元の木から地主に交渉して伐採されますが、樅の木は少ないようで、太い木が選ばれるようです。危険が伴う木落し川越しはありません。曵行と建御柱が主です。

それにしても、準備は大変ですね。私は直接準備には参加していませんが、有志や役員の人たちが休日になると,木を削ったり綱を打ったり長い間かけて準備したとの事です。それだけでも祭りにかける情熱が伝わってきます。

私は、曵くだけ、見るだけでしたが、久しぶりにお会い出来た人も大数いらしていて楽しい一日でした。


《今年のきのこ》

今年は、夏の暑さが影響したのでいつもは高価な松茸が豊作との事です。
40年位前はこの山にも有ったそうです。今では我が家の周りでは採れませんが、諏訪や八ヶ岳のきのこの留山では、かなりの収穫があったようです。

農協やきのこ専門の販売所でも1本1000円前後とかなりの安価だそうです。きのこは採るものと決めている我が家では買う事は有りません。先日或るお宅の草刈りのお礼で1本大きな松茸を戴きました。大喜びで、すぐに松茸ごはん、焼き松茸、天ぷらにして美味しさを味わいました。2年ぶりの松茸の味と香りを満喫しました。

天然のきのこも、気候がおかしかったので発生時期もバラバラになりました。

カラカサタケという大きなキノコがあるのですが、今年は多く時期も1ヶ月ほど遅く発生しました。また、いつもなら出ないナラタケも庭に発生したり、ジコウボという唐松林に出るキノコは、10月頃からが本来の時期ですが寒くもない時から1ヶ月のロングランでまだ出続けています。似たようなヌメリイグチも散歩の度に数個は穫れます。

危なかったのが、強い毒のあるニガクリタケ。今年はクリタケと間違えて販売されたことも数回有ったようです。

私も幼菌(出始めの小さなきのこ)を間違えて調理して煮る寸前に噛んでみて解ったのですが、舌に残る苦さです。煮ると苦みが消えるので毒とはわかりません。そのため間違って中毒してしまう事があるようです。

今年は食べられるキノコも多いけど毒キノコも多く発生しています。出始めはどちらもそっくりです。プロでも間違えたので単にキノコが好きな素人の私は十分気をつけなければなりません。でも少し食べてしまいましたが..。

そうこうしていると、今日裏の楢の木の切り株に本物のクリタケを発見。朽ちた切り株の脇からもこもこと出ています。小さいのから大きいのまで50〜60本ぐらい。長く楽しむようにと、開いたのはヌメリイグチとともにマリネにして、小さいのはみそ汁や鍋でと思いを馳せ...秋の味を楽しみます。

作っているきのこは、椎茸、なめこ、ヒラタケの3種類。ホダ木栽培です。その中で、春にはあんなに出た椎茸は未だ出てきません。この分だと秋は全滅です。しかし晩秋のきのこであるナメコが、雨が降り続いた後続々と出てきました。昨年一本も出なかったヒラタケも数個ですが出てきました。

ことしは順番が逆でした。本来ならヒラタケ、椎茸、ナメコが正しい順番です。


【編集後記】

長野に来て23年ですが富士見町に暮らして10年が経ちました。整地していた頃は小さかった木々が、もう家より高くなり山々隠すようにまで成長してしまいました。その間私の髪の毛は木々の成長とは逆の方向に歩んでいますが、成長した木々は今年の冬には間伐しなくてはなりません。とりあえず鳳凰三山を隠している南側の山桜、南アルプスの山が見えなくなってしまった西側の楢と栗の木を間伐の予定です。木を切っても数年後にはその周りの木の枝が張ってさらに成長を早めます。ゆっくり成長する身近な木々の手入れは怠る事ができません。
(Twitterの @nature7 で日々の話題をつぶやいています。)
田端の御柱祭
田端の御柱祭の建御柱の様子
カラカサダケ大きなものは30cmを越えることもある。
クリタケはナラや栗の木の切り株によく出ている。
ナメコは地面に伏せた山桜のホダ木から沢山でてくる。

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