自然派SOHOの田舎暮らし快適実践術
メールマガジン「八ヶ岳の里から」バックナンバー
《第66号》2009年10月16日発行
◆いろいろな里山の出来事(秋の収穫と籾殻燻炭つくり)
◆冬の準備
◆木樹や草花の勢いが次第になくなり、里山は秋の訪れです。ジコウボウやシロヌメリも採れ始めました。作り椎茸はやっとちいさな芽を出し始めました。


  ◆いろいろな里山の出来事

《秋の収穫と籾殻燻炭つくり》


夏の天候が不順で日照不足のせいもあり毎年楽しみにしている農作物は正直言ってあまり良い成績ではありませんでした。

しかしながらこの時期になって、葉物や根菜類の成長が良く、大分収穫でき夏の分を取り返す勢いです。やはり実りの秋?なのでしょうか。

ニンジンや大根、サトイモにゴボウは成績優秀です。チンゲンサイ、ホウレンソウ、レタス、キャベツや春菊はまだ立派に育っています。茄子やキュウリも秋になって大分採れました。

二人で食べるには十分すぎるくらいです。残念だったのがトマトとトウモロコシです。鹿や猿の食害の犠牲を少なくしようと、動物避けのネットを張り巡らしていたのですが、天候不順で壊滅状態でした。

妻が主体で行っている家庭菜園は大体の収穫を終えましたが、この時期後かたづけの手伝いをするのが恒例になっています。

とりあえず、トマトとトウモロコシのまわりに頑張って張り巡らしたネットの撤去。次に、今年は収穫の少なかったトマトハウスの撤去。どちらも私が張ったり、パイプを建てた物ですが、ことしはあまり役には立たなかったようです。

もう少ししたら、山芋とゴボウを掘ります。なかなか深くて重労働なのでこれも私に課せられた作業になります。そして来年の作物のための籾殻の燻炭つくり。

籾殻(モミガラ)を精米所で軽トラ半分くらいもらってきました。ここにはいくらでも籾殻が出るのでいつ行っても豊富にあります。おまけに米ぬかも無料でもらえます。

燻炭の作業はいたって簡単で、軽くたき火をして、専用の器具を被せて籾殻をまわりにどんどんと被せていくだけ。中から徐々に火がつき外の周りが黒く焦げてくれば出来上がり。

いろいろなやり方が有るようですが、私なりに工夫して、外が焦げ初めたらその上にまた籾殻を載せることを数十回繰り返し、完全に焼けないようにしてみました。中心の方は焼けすぎて犠牲にはなりますが、灰にはなりません。

灰になるのは酸素の多い外側です。ですから焼ける前に新たに籾殻を掛けるという、暇人技に挑戦してみました。ここで失敗して多少灰になっても、ミネラル分が多くなるだけなので、かえって作物には良いかと思います。

今回は夕方からそのまま朝まで放置したので、半分が灰状態になってしまいましたが、使用上は問題はありません。(籾殻燻炭の効果は保水性、通気性が向上し、微生物の住みやすい環境となるため土の微生物も多くなり耐病性も高まるということだそうです。)


《冬の準備》

この時期の薪割と薪切りは今年の冬用ではなく、次の冬のために行います。

今年は前の山が伐採されたので、豊富に雑木が手に入りました。そして前回お伝えした、クルミの木もあり、増設した薪置き場に入りきれず溢れています。しかし、今年の焚き付けの細い木が少ないことに気が付きました。

我が家の焚き付け用は、小枝を利用していたのですが、いつもなら乾くはずの夏に、カビだらけになり、あまり良い状態ではありません。

とりあえず周りの林から枯れた細い枝を集め、針葉樹の間伐でいらなくなったヒノキや杉をもらってきて、細かく割ることにしました。

山にはいるとかなりの量の小枝があります。台風で倒れた木や、アカマツで太陽が遮られ、立ち枯れしている雑木もよく燃えます。いまから少しずつ集めればこの冬は何とかなりそうです。


【編集後記】

夕暮れや夜中、家の近くで雄鹿が「フィーヨー、フィーヨー」と鳴いています。数日前にも我が家の下の獣道をゆっくり歩いている姿を見ることが出来ました。たぶんこの鹿が鳴いているのでしょう。彼は立派な角を持っていました。顔の長さの2倍以上もある大きなな角で、枝角も3〜4本ありました。いまは鹿の発情期。縄張りを主張するときに鳴くのだそうですが、闇に甲高く響き渡る鳴き声はどこかもの悲しさを感じます。そして、もうすぐ冬なんだと感じます。
籾殻を燻炭器というものの周りに円錐状に積み上げ火を付ける。中が空洞になっていてじわじわ燃えるようになっている。
燻炭器が現れた。白い部分は燃えすぎて灰になったが、その他は上手く燻炭が出来上がった。

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