自然派SOHOの田舎暮らし快適実践術
メールマガジン「八ヶ岳の里から」バックナンバー
《第64号》2009年8月7日発行
◆いろいろな里山の出来事(草刈り)
◆雨が多いのでうんざりの7月でした。8月も最初は雨で始まり体までカビが生えそうな気分です。梅雨明けがこんなに遅いのは珍しいそうですが、それでも、やっと梅雨明けして、夏らしくなり、今は韓国〜アジア系のスパイスの効いた料理に少しはまっています。


  ◆いろいろな里山の出来事

《草刈り》


今年は草刈りの場所が倍ぐらいに増えました。

畑の地主さんが軽い病気のため、あまり動けなくなってしまったからです。日々の生活には差し支えのない程度なのですが、体力のいる炎天下の草刈りは高齢者には大変です。田圃の畦や自宅廻り、点在する畑、持ち山、道路等々、2週間あっても全ての草刈りは出来ません。

農家は雑草との戦いです。山の手入れは数年前から諦めた様ですが、農地はそういうわけには行かないようです。

そこで、地主さんの甥夫婦さんたちが駆り出されました。

そして私達も刈ることにしました。私達の借りている下の畑の部分以外のところは、ついでの勢いで刈ってしまうことにしました。

そこは約2,100坪。3面張りの水路で東西に分断されていますが、我が家の南からず〜っと下まで、途中は水路に沿って道があります。行き止まりなので車は通りません。そのかわり道路には草が生えます。ここは、幅4〜6メートル(辺りも含め)で約250メートルくらい刈ります。

この部分の東側は、フキやらワサビやら山菜が出る湧き水があるところですが、日陰なのでそんなにも雑草は生長しません。刈らなくても誰にも迷惑がかからないし、おまけにマムシをよく見かけるのでそのままにしておきます。

水路の西側は途中から林になるので陽当たりが悪く草もあまり生えないので林の部分はは草刈りは必要有りませんが、その手前までの約300坪くらいの斜面は、ある理由で私達が借りているということになっているので、ここは全てきれいに刈らなければなりません。

借りている約500坪の畑周りは当然刈りますが、東側の道路までの急斜面も草刈りの対象になります。刈る部分は合計で250坪くらいの面積があります。

実際にやってみると増えた分だけでも丸2日はかかる勘定になります。今までの分を合わせると4〜5日は草刈りに没頭しなければなりません。

実際、地主さんはこの数倍の草刈りを毎年しています。農家は草の戦いと良く言っていましたが、確かにそう思いました。

だんだん農家が高齢化してくると、キツイ斜面の草刈りや広大な面積の草刈りが、高齢とともに除草剤散布に替わってくるのも無理はないと感じました。

地主さんご夫婦は80歳前後です。農家としての跡継ぎはいません。息子さん達はみんな遠くに住んでおり、稲刈りに来るくらいで、農作業を行う気もないようです。したがって自宅廻り以外の田圃の一部や畑の殆どは、だんだん人に貸してそ
の管理を任せています。

不耕起、無肥料、無農薬、無除草で作物を作るいわゆる自然農法なる雑草を刈らない農法もあると聞きますが、ここでは普及しません。以前試みた人がいて、雑草の種が大量に飛び、他人の畑にまでその影響が及んだからです。1メート以上も伸びた雑草の中から作物をかき分けるように収穫して、都会に出荷していたそうです。貧弱な野菜で、多くは虫食いだらけだったそうです。農家の人はそれをみて「よくこんなの買う衆がいるのう」と言ったとか。

自然農法を実践している話は時折聞きますがまだそういう畑は見たことはありません。自然農法ということは自然そのままなので畑には見えないと言うこと?その意味からはたぶん私の想像する畑とは違うものなので見つからないのかもしれません。

その毒性から多くの人は除草剤は毛嫌いすると思います。私も畑や田圃での除草剤使用は反対の口ですが、理想と現実はちょっと違う感じがしてきました。農家の人に説明しても止めようとはしないのには色々な事情がありそうです。

ともあれ、次は自分の家の廻りの草刈りです。
先出の畑などの他に、借りている山の斜面や共有の道路廻りの分担部分、それに広域農道の一部や散歩の山道と、今年椎茸用に借りた山です。全部合わせると2,500坪以上になります。想像すると大変な面積です。

実際も大変な面積ですが、これは恒例行事的な意気込みでなんとかなります。動いていればその分の結果はシンクロしながらそのまま現れます。この結果の現れ方がさらなる糧となり、草刈りに邁進することになります。

あとは植物の生長の時期を見て上手く刈れば次は楽になることを憶え、その後〜最近ではあまり負担は感じなくなりました。

これも経験と慣れでしょうか。


【編集後記】

今度の日曜日は富士見町の町長選の投票日です。今回は現職を含め3人が立候補し、選挙戦を正に展開している最中です。
現職は仕上げの最後の任期を謳い文句にし、対抗主力の新人は大手電器通信会社の元役員で町の活性化をアピール。こちらは革新政党の町議の学生時代の同期生。民主党の鳩山由紀夫氏と同じ東大工学部卒業だが政策面はあまり得意ではないという。そういう訳もあって候補知り合いの町議の政党である共産党が後押ししている。最新のIT産業、環境産業の誘致、農業の新改革を掲げ、IT産業に人生の半分を捧げた人物の登場に町の近将来への期待感は十分あると見た。
一方企業減少、人口減少、税収減少に喘いでいる富士見町。保守派が根強いこの地域でも、この状況から現職町長の次期再任の期待感はあまり無いというが、今度の日曜日どういう結果になるか非常に興味深い。

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