自然派SOHOの田舎暮らし快適実践術
メールマガジン「八ヶ岳の里から」バックナンバー
《第54号》2008年9月22日発行
◆続編-いろいろな里山の出来事(オムニバス)


◆数ヶ月ご無沙汰しておりましたが、暑さの中、どうにか生活しています。来客が多かった連休も終わり、やや静けさが戻ってきましたが、8月の週末はまだまだ単発的な延長戦が2回あります。今年もまた、知らない間に夏が終わりそうな気配です。



  ◆続編-いろいろな里山の出来事(オムニバス)

《カマキリの脱皮》

数日前から玄関の防犯灯が切れていたので蛍光灯を交換しようと思い防犯灯の器具のシェードを外していました。器具の周りに絡まっているアイビーをカットしながらの作業です。

すると、器具の直ぐ上側でゆっくりと何かが動いています。蔓や葉で覆われているのでそれが何かは良くわからないのですがトカゲやカエルではなさそうです。

このアイビーは防犯灯が有る所為か夜は虫が多く寄りつくので、昼間はトカゲ、夜はカエルが上の方まで餌場にしているところ。

一枚葉を取り去ると、そこに現れたのはカマキリでした。ちょっと前に、今年の夏はカマキリを見なかったな〜と思っていた矢先だったのですが、偶然にしてはタイミングが良すぎます。

この頃、こういう事が多々あります。

先日も、近くの別荘に来ていた小学校低学年の子供たちに
「この辺にはカブトムシはいる?」と聞かれ、
「もっと暑くなれば出てくるよ」と、まだ今年は一回も見ていないのに、里山の楽しい夢を壊さないように、過去の話をしてあげて喜ばせた次の日、思いも掛けず、りっぱな角が付いたカブトムシが我が家の横の唐松の木にいました。何という偶然。もちろんそれを、今日返るという子供たちにプレゼントしたのは言うまでもありません。それ以降、今年はカブトムシはどこにもいません。

話が脱線しましたが……

蛍光灯を替え終わり器具の周りを良く見てみると、今度は直ぐ下に枯れ葉みたいな見慣れない物がぶら下がっています。

取り除こうと掴もうとしたら、なんとそれはカマキリの抜け殻でした。白っぽくて、だら〜んとしているので、一瞬枯れ葉に見間違えるのも無理はありません。

アイビーの蔓に足を引っかけて、頭を下に向け、触覚もしっかりと付いています。そのままの形で抜け出た様子がうかがえます。スケルトン状態のその抜け殻にしばらく見とれてしまいました。

脱皮直後なのか、それとも昨日脱皮したのか定かではありませんが、直ぐ側にいるこのカマキリが、脱皮を終えた本人に間違いないのは、確かです。

このカマキリは6センチくらいの成虫、この時期にしては通年見慣れているカマキリより一回り小さい気がします。成長期に餌が少なかったのか、それとも小柄のオスなのか、私にはその区別はわかりません。

というわけで、そのカマキリの抜け殻(下)とご本人の写真(上)です。

抜け殻といえば、今期大発見したものが有ります。たぶん、いままで見たその大きさでは一番です。且つ、その完璧さも一番です。写真が上手く撮れなかったので、この次にご紹介致します。一体なんなのでしょうか?! お楽しみに。


《キノコ山》

近くの蕎麦の花が畑一面に咲き出し、稲穂も少しの風では動じない位に実を付けうなだれ始め、稲刈りも始まりました。朝夕も気温が低くなり、今年も徐々に秋の準備が整いはじめたようです。

秋と言えばキノコ、ですが、今年は秋に限らず身近なところで色々なキノコに遭遇しました。その中でも、晩春に庭に発生したモレル(アミガサタケ)や真夏に出てきたタマゴダケはここでは初めて見ました。そのあともちろん食べてしまいましたが。

他にも年間を通してさまざまなキノコが出てきます。

夏の終わりには、霊芝と呼ばれるマンネンタケを採り、煎じて飲んでしまいました。中国では古くから漢方として使用されてきたキノコと聞いていますが自分で煎じて飲んだことは初めてです。

中国といえば中華料理の高級食材として有名なキノコのツースン(キヌガサダケ)も出てきます。滅多には有りませんが、数年前に見つけました。キヌガサタケと言い、その名のように真っ白なレース状の絹の傘に覆われたような綺麗なキノコです。

しかしながら、とてもキツイ臭いがします。高級食材ならと思い食べようと試みましたが前処理が1週間ぐらい掛かるようなので途中で断念、未だ食べたことはありません。

名前を聞いただけで危なそうなキノコも出ています。このあたりで一番多いのが「ドクベニタケ」真っ赤な綺麗なキノコです。名前に「毒」ですから誰も採りません、もちろんみんな食べません。

しかし、私は、実際に食べてみることにしました。もちろん、ちゃんと調べた上で食べることも出来ると書いてあったので果敢にチャレンジ!です。

まずは塩で茹でて、次に油炒め。味付けは塩とコショウでできあがり。では、試食。軽い苦みがありますが味にこれといった個性はありません。グラタンとか、肉類の付け合わせには良いかもしれません。バター炒めもよいかも。他の食材の味で食べてしまうという方法です。でも、どうしても食べたいというキノコでもありません。

数日後も何ともないので、ドクベニタケはどうやら毒キノコではなさそうです。これなら、だれも採らないので大量にあります。

数日前にも訳のわからない小さなキノコが大量に持ち込まれました。見たことのあるような〜無いような〜、良くわかりません。図鑑で判断しようとしましたが、よけいにわからなくなりました。たぶん毒ではなさそうです。もし似たキノコで万一間違えてもこのタイプは消化機能に影響があるだけで量が多くなければ大丈夫です。

とういう訳で少し食べてみることにしました。

夕方になっても大丈夫です。次の朝も何ともありませんでした。図鑑に載っていた写真では判断できませんが、たぶんセンボンイチメガサというキノコではないかなと思います。

図鑑も撮影状況やキノコの成育状態でずいぶん違うので判断しかねることが数多くあります。わかりやすいものは良いのですが、微妙の違いでそれが毒キノコか食用なのか判断しかねるキノコも多いことは事実です。美味しいと書かれているキノコも実際食べてみるとそうではなかったりすることも多々有りました。

結論は地元で人気のあるキノコを採って食べるのがいちばんだと思います。

数週間前には地元一番人気のジコウボウが出始めました。同時期にシロヌメリイグチもぽつぽつ出てきました。まだハシリのようで、とりあえず出てみたという感じで、まだしっかりしたキノコではありません。したがって今は見るだけにしています。秋風が吹き、もう少し朝晩冷えてくれば本格的なキノコシーズンの到来です。



【編集後記】

秋の七草の萩が満開〜終盤です。我が家をぐるりと取り巻くようにして生えているヤマハギ。毎年剪定しているのですが、次の年にはよりパワーアップして花を付けます。夏が終わる頃には枝振りが倍ぐらい良くなり花芽を沢山付けます。そのときにも剪定して刈り込むのですが、一週間も経たない内にまた新緑を付けた枝を伸ばします。萩はずいぶんと強い木だとつくづく思いました。このヤマハギの花が散ると、里山もいよいよ紅葉の始まりです。
全世界で2000種とも4000種ともいわれるカマキリ。このカマキリは6センチ位と小さいがオオカマキリのようだ。背中がやや薄茶色だがそういう個体なのだろうか。
脱皮した後の抜け殻。
庭に生えるアミガサダケ。
キヌガサダケは先端のグレバが臭くてハエがよく泊まっている。

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