自然派SOHOの田舎暮らし快適実践術
メールマガジン「八ヶ岳の里から」バックナンバー
《第52号》2008年4月14日発行
◆春、いろいろな出来事(オムニバス)


◆今年は春が早く、山桜はまだですが梅が満開です。フキノトウは終わり、ウドやタラの芽がぷっくりしてきました。いよいよ本格的な山菜のシーズンです。



  ◆春、いろいろな出来事(オムニバス)

《栗の木の伐採》

我が家の南側に栗の木があります。否、ありました。この家を建つときからあった最初は細くて小さな木です。

小さな栗の毬を一つだけ付けていたのが印象的で、建築作業のじゃまになったのですが、私の作業を最初から最後まで見ていた木です。数回の間伐で周りに木が無くなり、その後無節操に枝が横にのびはじめ、最近、視界や陽を予想外に激しく遮りはじめました。

ここ数年はあまりにも枝が成長しすぎたので、ベランダに掛かる勢いでした。
昨年おもいっきり剪定をしたのですが、一年で剪定前と同じぐらいの葉を付け
てしまったので以前となにも変わりません。

夏には大量の繭蛾が発生したりで大変な思いをしていましたが、我が家と同じ
歴史を刻む木ということで個人的には大切にしたかった木でした。家族の強い要望もあり、冬のある日、思い切って切ることにしました。

枝を落とし、倒れても家に当たらないようにロープも掛けました。ロープは妻に引っ張っていてもらいます。そのままだと、木が倒れたとき妻を直撃するので、合図を送る約束でした。チェーンソーでゆっくりと切り込みを入れていきます。

妻のいる方向に、栗の木が、やや傾き始めました。この栗の木の生涯がココで終わると、切りながら考えている最中、妻はけなげにも言われた様にロープを引っ張っています。

と、そのとき栗の木は、急に加速度を付け倒れ始めました。合図を送る約束でしたが、その前に木は大きな音と共に倒れてしまいました。走馬燈のように建築していることが頭の中を駆けめぐっている数秒の出来事です。

そのときの妻の逃げ足の早かったこと!
こんな素早さはいままで一度たりとも見たことがありませんでした。後で「合図をくれなかった」と文句を言われたのは言うまでもありません。

栗の木とのお別れです。


《凍結防止帯》

知り合いの家が全焼しました。
原因は凍結防止帯のショートによる出火だったそうです。

以前の凍結防止帯は、3メートル、5メートル、7メートルというように長さの種類がありませんでした。

取付業者は、2メートルの配管でも3メートルの凍結防止帯を付けざるを得ません。余った1メートルはぐるぐる巻きにしたり、もう一度余分に巻いたりしていたそうです。

最初は良いのですが、年数が経ち被覆も劣化がはじまり、ヒーターが入りっぱなしになる厳寒期にその事故が起きます。ダブルで巻かれた部分はかなりの熱を出します。これを何年も繰り返す内にショートして被覆や断熱材に火が着き火災となるそうです。

外に出ている部分は点検でわかりますが、壁や床下などは十分気を付けなければなりません。現在の凍結防止帯は50センチ間隔で長さが選べるのでその心配は少ないようです。


《すずめ》

去年スズメがヘビに襲撃された巣箱に、またもやスズメが巣作りを始めました。

カケスやキセキレイ、シジュウカラなども、巣の材料をくわえて飛んでいく姿をよく見かけます。例年ですと小鳥たちの巣作りはもう少し後なのですがことしはみんな焦って作り始めています。

というわけで、昨年予定していた巣箱の掃除と移動が出来ませんでした。今年は「ヘビ避け対策」をなんとかしなければなりません。


《あさつき》

愛犬とのいつもの散歩コースに、アサツキが自生しています。

山道の直ぐ傍らにあり、このごろ急に大きくなり始めたので愛犬たちの絶好のマーキングポイントです。いろいろな臭いがするとみえて、愛犬たちは必ずその近くでマーキングを繰り返しています。

雄犬は近くに何か目標物がないとマーキングしません。メスのシェルティはアサツキの近くのススキの根元にマーキングしますがオスのプードルは、より高くマーキングする癖があるのでこの頃はそのアサツキが目標物です。

春の雨が降っている夕方、いつものコースを散歩していたところ例のアサツキが、ありません。もう一度引き返し見てみましたが、ありません。毎年春の連休には、だれかに刈り取られることは多々ありましたがどうやら今回は根こそぎ持っていってしまったようです。

ノビルやアサツキはこの近くには数多くあるので、どうこうはありませんが沢山ある中の、よりによって、このアサツキを選んだ人はきっと運が悪い人なんだぁ、と、つくづく思いました。


◆わさびとクレソン

我が家の下の沢にある、湧き水の所に地主さんの甥がわさびを植えた話は以前致しましたが、今回、もう少し下流の横にある湧き水の所に、わさびを発見しました。
ここは、誰かが植えるような箇所ではありません。と言うことは自生?以前には見つからなかったので、上流のわさびの親戚かもしれません。

直ぐ近くには毎年大量のクレソンが自生しています。このクレソンも、上流のクレソン畑から来たものと想像されます。

ここは猟師以外ほとんど人の入らないところです。ということは、全てわたしのもの!なのだろうか?


◆たまご

たまごと言っても、食べるたまごではありません。でも、食べたくなるほど(?)かわいい、チワワの名前です。

たまごは、長かったブリーディングドッグとしての役目を終えたので、ブリーダーさんから譲り受け我が家で社会復帰する訓練をしていた、5歳になるとても愛らしいチワワの雌です。昨年も、うずらちゃんという雌のチワワを、山梨県のある初老の女の方に里親になっていただきました。今ではとても良い伴侶として可愛がられています。

このたまごもそんなつもりで引き受けていましたが、しばらく生活を共にしていると、新しい環境になれ感情も落ち着き、なんだかうちの子みたいになってきました。

たまごは体重が2キロくらいのとても小さな犬です。それでも知らない人には警戒心を発して勇敢にも向かうそぶりを見せます。そのしぐさはかわいらしいそのもので、吠えても誰も怖がりません。

数年間子育てで外にもあまり出たことがないので、我が家ではデッキで陽があるかぎりひなたぼっこの毎日を満喫していました。信頼関係も十分出来上がり、本当にうちの子にしようと話していたところ、ある日急に里親とのお見合いが決まり、その日のうちに老夫婦に貰われていきました。犬のことをとても理解して生涯可愛がってくれるご夫婦でした。

近くの方なのですが、やはりたまごがいなくなった我が家には数日間寂しさが漂いました。これも春の別れです。

でも、たまごは第二の犬生(?)の始まりです。幸せになってね!


【編集後記】

日本人に限らず人間は感情の生き物なので、多くの人はどこか心の中にしか見えないもの、たとえば占いとか、予言とか運勢とかに精神を傾ける事があります。米国のある政治家は占星術に傾倒して政策を展開していたことは有名な話ですが、気の持ち方でその日が左右されるのは間違いありません。その気を持たせてくれる何かが他人だということが事実に限りなく近いことも、人間社会の本来の性質から来ているのかもしれません。いろいろあったこの春に、こんなことをふと思いました。
うずらちゃん
たまごちゃん

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