自然派SOHOの田舎暮らし快適実践術
メールマガジン「八ヶ岳の里から」バックナンバー
《第46号》2007年9月7日発行
◆鳴き声が変わった?動物たち
◆畑のプチ収穫賛美
◆精一杯伸びきった雑草たちが成長を止め夏の終わりを予感させます。沿道の草刈りもたぶん今回でおしまい。もうすぐ大好きな秋の季節の到来です。食材の秋。(食欲の秋とも言いますが)夏の栄養をたっぷり蓄えた食材が賑やかに食卓を飾るこの時期がけっこう気に入っています。



  ◆鳴き声が変わった?動物たち

この夏はクロツグミの美しい鳴き声が時折聞こえていました。真夏には聞くことが出来ましたが、このごろは鳴いていません。もうそろそろ旅立ちでしょうか。

そんなある早朝、東の林から鳴く声が聞こえてきます。「ラッキー!聞き納めになるかな」と思って耳を澄ましました。

「どうもおかしい?!」

節回しやさえずりの音の高さは、よく似ているのですが変調で、テンポも悪く、声の大きさも小さくて、妙な感じです。良く聞いていると、クロツグミかな?!と思うのですが……、やはり変です。

風邪でもひいたのか、変な物を食べて体調が悪いのかわかりませんが、こんな鳴き方は、長野に来て20年以上になりますが、初めて聞きます。姿を見たいのですが木々に遮られてどうも見えません。そのうちにもっと奥の竹藪に飛んでいってしまいました。

次の日、また早朝からクロツグミらしき鳴き声が聞こえてきます。今度こそは目視確認するとぞ!意気込み目を凝らして観察しました。まだ下手なりに鳴いています。前日同様に、変な鳴き方ですが、今日はだいぶ手前の木で鳴いています。とその時、囀りの途中で飛び立ちました。

そして「ジャーッ」という低い鳴き声がしました。この声は、まさかカケス?!
そうです。囀りの正体はカケスだったのです。以前お知らせしたノスリの鳴き声やロケット花火の音を真似したカケスです。

飛び立つ姿も声もまさしくカケス。疑問が解けて一安心でした。が、もうひとつ未だに不可思議で、おかしな鳴き方の鳥がいます。

真夏の夜、コテージのお客さんとバーベキューを楽しんでいたときでした。音楽も止み、森の音をみんなで聞いていました。

キツネの「ギャー」という声に驚き、遠くの鹿のキ〜ンという声に静かにちいさな歓声を上げていましたがしばらくしてキツネのような鳴き方で音量を10分の1くらいにした鳴き声が聞こえてきます。

「この声はなんなんです〜?」と聞かれました、が即答できません。
「森の妖精?」そんな訳はない。
「夜はいろいろな動物が活動しているから……、でもなんでしょうか?」

そのうち、木に登るように、鳴き声も上で聞こえてきます。やに弱々しく、おまけにだみ声です。移動が早く、こんどは近くの木の上で聞こえ出しました。

まさか鳥?この鳴き方は、もしかしてフクロウ?!しばらくして、母屋の煙突に留まりました。飛ぶ時の羽音はしなかったのですが、煙突カバーの金属に止まったので足がすべってカチャカチャする音が聞こえます。

ライトの逆光でよく見えなかったのですが、その鳴き方は、フクロウそのもの。
ここからの距離は10メートルくらい。しかし、通常聞こえる鳴き声の大きさの数十分の1です。それもかなり苦しそうに低くしゃがれた声で鳴いています。

このようなフクロウの鳴き声も初めてです。こういう鳴き方をする時期があるのでしょうか、いまだに解りません。

----おまけです----

家の玄関先に住みついているアマガエルの中の一匹は、(個体の特定は出来ていませんが)カラスの鳴き方そっくりに鳴きます。ちょっと濁っていますが「がぁ〜、がぁ〜」と鳴きます。鳴き始めだけなのですが、数回鳴いた後はふつうの鳴き方に戻ります。発声練習なのでしょうかよくわかりませんが今年はカエルまで変な鳴き方になってしまいました。



  ◆ 家庭菜園(畑)のプチ収穫賛美

盛夏も過ぎ根菜類が採れ始めました。

・ニンジンは間引きのものを利用していますが、とても甘くて香りも良い美味しい状態に出来ています。(大きなものを早く食べたいものですがもう少し時間がかかりそうです)

・ジャガイモは猿に取られる前に早めに掘りだしたのですが、柔らかくて味も濃く、とても良いジャガイモです。(芋類があまり好きではない私でも美味しいと思うので、好きな人はもっと美味しく感じることだと思います。)

・里芋も早堀して食べてみましたが、柔らかくて適度に粘りがありほくほくしていて近年まれな美味しさです。(小さな物は茹でて塩で食べるのが最高です。もちろん酒の肴にうってつけ)

・ゴボウは大きくても30センチくらいのミニゴボウですが、これがまた柔らかくて香りが高く、とても美味しく育ちました。(素材が良いせいか、ゴボ天が最高。筋はほとんどなく、香りは一級品。もちろん、トン汁も美味しい。たたきゴボウも、ぬか漬けも、香りと歯触りを楽しみながらいただいています)

・枝豆もようやく身が入ってきて食べ頃です。我が家は大豆にする前にえだまめとして食べてしまいます。(コクも有り、柔らかく甘みも絶品です。例年、鹿に半数近く食べられてしまうのですが、今年は防御網を張り巡らしたので、今のところ食害はありませんが、油断は禁物です。)

・トマトは今年は最高の出来のひとつです。甘み、うま味、独特の香り、すべて備わったここ数年来最高の味です。(トマトソース、ピューレとして保存もしますが、煮てしまうのがもったいないくらい。もちろん生食が最高です。トマトも猿害から逃れまだまだとれていますが終盤です。)

・トウモロコシは成長前にだいぶ猿にやられましたが、成長期の後半は方々で作物が出来はじめたので、猿もここにくる前に収穫して満足したらしく、あまり我が家の畑には来なくなりました。おかげで甘くておいしいトウモロコシが収穫できました。(コーンスープ用のストックも例年通り完成。これで一年過ごせます。)

これから、サツマイモや山芋、大豆に花豆などが収穫を向かえます。

妻が一生懸命作った一反の畑からいろいろな幸が生まれてきます。それを楽しく美味しく食べる。もちろん自然にも感謝です。



【編集後記】

今回の台風はここ富士見の里山では雨が時折強く降った位でさほど影響はなく、この雨で発生する量が増えるのではと、秋のキノコの生育が楽しみになりました。以前すんでいた八ヶ岳ではもう出ているはずなのですが採れたという報告はまだありません。台風が過ぎ秋風が吹くとジコウボウのマリネが頭をかすめ、クリタケやナメコやオニイグチが夢枕に出てきます。コウタケやクロカワももう一度採りに行きたい、早く食べたいと思うからでしょう。
山の幸は何事にも時期があるのが良いところ。じっくり待ちましょうか。

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