自然派SOHOの田舎暮らし快適実践術
メールマガジン「八ヶ岳の里から」バックナンバー
《第106号》2018年11月1日発行
◆こんな台風はここに来て初めて
ここ八ヶ岳の里山は秋中盤、山桜は葉を落とし、山漆やブルーベリーの低木がきれいに紅葉しています。秋がだんだんと深まるとコナラや栗の葉なども色づくのですが、そのあと大量の落葉が我が家の周りを覆います。大変ですけど落ち葉集めは恒例行事、その間冬の準備も同時進行します。

  ◆里山でのいろいろな出来事

《こんな台風はここに来て初めて》

9月4日には台風21号、9月30日には台風25号が日本を通過していきました。
長野県は影響が受けにくいと言われていましたが、富士見町もかなりの激しい雨と強風で、方々で倒木や停電などの被害が出ました。

9月4日は雨もそうですが、東南の風が強く、家の前のヤマモミジの太い枝が折れ、その向道の敷地では二股に分かれた木の枝(直径15cm位)が一本折れました。我が家に来る途中の道では、赤松の枝が折れ宙ぶらりんになって半分ぐらい道路にかかってしまいました。ここでは停電はなかったのですが近くの地域では1日以上停電していたようです。

9月30日の台風は、初めての経験ばかりでした。

前日29日に静岡に行ってきたのですが、明日台風が来るというので泊まる予定を止めてとんぼ返りです。それでも途中強い雨が降ったり、急に晴れたり不安定な天候でした。

次の30日、午後から雨風が段々強まり、夕方には家の周りの木々が大きく揺れはじめその内北側の太さ35cm位高さ20m位の枯れた松の木が下から2m程の所で北側に大きな音と共に倒れました。家とは反対方向なので良かったのですがもし家の方に倒れたら甚大な被害に遭ったと思います。

この分だと今回は停電になるかも知れないとロウソクや懐中電灯、ラジオなどの準備をしておきました。

夜7時半頃、プツンと家中の電気が切れました。想定していた停電です。その内には回復するだろうと思っていましたが、深夜になってもその気配は有りません。台風は速度を上げて北上し長野県をとっくに通り過ぎています。

中部電力に連絡を取ろうとしても「電話が混み合っています」とのアナウンスのみで、一向に通じません。何度掛けても同じで被害の大きさが判ります。

長期戦を予想して、建築中に使っていた重い発電機を倉庫から引きずり出しました。発電量は1500Wなので家中は無理ですが、必要な所には順に電気を供給できます。

家にあるあらゆるコードで各所に配線をしておき、必要なときにつなぎます。取りあえず水です。我が家は下の畑近くから地下水を揚水して1000Lのタンクに常時溜めてあり、そのポンプ小屋に宅内に送るポンプが有ります。もちろん停電になると断水です。まずここに電気を通します。照明も必要なので、家の各所に電球を吊し配線しました。

次にボイラー。灯油式のボイラーなので電気が有ればこれも使用ができます。料理はプロパンガスなので問題なし。後は冷蔵庫です。冷凍庫も有るので、他が使わないときになるべく通電するようにしました。

このぐらいやっておけば生活は出来ます。テレビは電波受信用のブースターの電源が家具の裏で動かさないと届かないところに有るので諦め、パソコンも仕事が無かったのでこれも諦めました。情報源はラジオとスマフォだけです。

次の日、別荘に来ていた人が道路の様子を見にいくと、前回枝がしなだれた山肌の道上にある赤松や隣の松も折れて下の農道にまで達し道を塞いでいるとのこと。ここはその日の午後には直ぐに地元の業者がかたづけてくれ通行が出来るようになりました。

近所の人達に連絡してみると停電はしていないとのこと。我が家近くこの7軒のだけが停電のようです。電線を辿っていくと、上の方の家は停電していないので、松の木が折れた所から以降の所が停電でした。

今日も一日停電。中電への電話も混んでいて通じません。

夜やっと中電への電話が通じ、木が電線をかすって断線したのではとの状況を説明し、電柱番号を伝えました。方々で復旧作業をやっているので多分明日の夕方以降になるとの説明を受けたので、就寝です。

10月2日中電の作業員が我が家にやってきました。同じ説明をしたら電柱のブレーカーがとんでいるかも知れないとのこと。そしてその夜7時半頃やっと停電解消!

3日間の停電でも、色々なことがわかってきます。

水の確保。1000Lの受水タンクは下方から動力電源のポンプで給水しているので、風呂や洗濯などをすると3、4日が限界。下方で給水をし受水タンクに供給が出来るようにするシステムを作る。
冷凍庫や冷蔵庫は可能な限り通電しておく。テレビなどの情報源は必要なので受信機器電源部分を点検できるところに移動する。
もっと長い期間の停電に備えて100?200W位のソーラー充電システムが必要。
発電機用のガソリンを常に用意しておく。
家の周りの太い木々は先を詰めるか伐採する。

細かい事はまだありますが、以上が今回感じた事です。



【編集後記】

この夏の暑さのためか、秋になる前から今まで椎茸が何度も出てきました。本来なら春と秋に盛んに発生します。今も大小50個ぐらいホダ木から出ています。同様に紅葉も遅い感じです。昨年は沢山獲れた山栗も今年は五分の一ぐらいでした。
また、フクロウも家の林周りの中で10月中頃から数羽の雌の濁った囀りが聞こえだしています。動植物は気候に敏感ですね。今年の冬は暖冬で少雪だとの予測ですが、暖冬だと大雪のイメージがあるので準備は怠ることなく冬を迎えたいと思っています。

Copyright(c) 2000-2020 Creative Design Office LETTER HOUSE(since1979) arrival media All Rights Reserved.