自然派SOHOの田舎暮らし快適実践術
メールマガジン「八ヶ岳の里から」バックナンバー
《第101号》2017年4月9日発行
◆デッキの支柱のメンテ
八ヶ岳の里山は、ここ数日で春が早足で近づいて来ました。
3月の終わりには2回も10センチぐらい雪が積もりましたがいずれも一日もたたないうちに雪は消えてしまいました。雪の間からはフキノトウが顔を覗かせ、チューリップや水仙やアサツキも葉を伸ばしていました。一昨日から一気に春が来た感じです。ウグイスも鳴き始め、さまざまな野鳥のさえずりが周りの林から聞こえていました。


  ◆里山でのいろいろな出来事

《デッキの支柱のメンテ》


我が家のメインデッキは設置してから早17年が経ちます。
デッキ材はウエスタンレッドシダーというカナダ産の杉ですがヒノキ科のネズコ(クロベ)に属していて、板の中では腐りにくい材質です。因みに、我が家の屋根はこの材料で葺いています。

腐りにくいと言っても、一年中雨風や紫外線にさらされているので劣化はしていきます。デッキの板の表面は劣化していますが厚さが4センチ有るので、まだ丈夫で抜けたり割れたりはしていません。

しかし、それを支える柱がだいぶ腐りはじめています。この柱は米松という樹種でダクラスファーとも言いますので実はモミの一種です。耐久性はあるのですが、どうも外の柱には向いていないようです。

柱だけは防腐剤などを何度も塗っていたので表面は綺麗です。見た目で安心していましたが、下側の木口から腐り始めていました。中には蟻が出入りしている柱もあり、何かの拍子に倒れるのではないかと思うほど腐っているものも有りました。

デッキは南向きで東西8m南北4m位の広さです。高さは約2.4mで支柱は12本で、その内の東側2本は1m位の短い柱が土留めの基礎にのっています。他の10本は5本が南面と2mほど家に近い中間に5本が、それぞれ巾30cm長さ7mのコンクリート基礎の2カ所に載っています。

最初に一番ひどい西側の前の柱を外しました。基礎に留めてあった羽子板ボルトを外し、柱近くの下からデッキを1センチほど単管を使いジャッキアップしてみました。柱は蟻が入った部分はスカスカで中にはミミズやダンゴムシが巣を作っていました。チェンソーで切ると軽く切れます。半分がダメでした。

ストックのサイズ違いの4m柱があったので、これを利用します。半分に切ると長さが足りなくなるので、既製の基礎の上に30cmキューブの基礎を上乗せして、2本分利用できました。

ストックの柱がもう無く、以前コテージに使った巾29cm厚さが10cm位で2mの梁があったので、これを丸鋸で両面から切り二つに割り、柱として利用することにしました。そして、まだ使えそうな外した柱を少しカットして、これも同じ様に既製の基礎に基礎を上乗せして長さを稼ぎ設置しました。

残りの柱5本は下の方が良いのもあるのですが40〜50cmぐらいは腐っています。先ほど外した半分腐った柱から良い部分を取り、残りの5本と組み合わせればどうにか柱として使えそうです。

継ぎ方は相欠きです。お互いの柱を30センチほど半分切り取り合わせるだけの簡単な方法で行いました。

後は耐水性のある木部補修剤と、ボルト二本で締め合わせて柱の完成です。これを4本作りました。つなぎ目の隙間は木部補修剤を充填しておきました。柱の下も防腐剤をたっぷり染みこませ、基礎面も防水塗料を塗り、今まで以上の腐朽対策を施しました。残りのもう1本は建てずに外したままにしておきました。そこに地下の仕事部屋の入り口があるので、小さな倉庫を作る予定がありそのためにはこの柱がじゃまになるからです。

一本ずつの作業だったので、1ヶ月以上掛かりましたが、安定したデッキになって満足しています。

ついでにピザ釜が有るところへデッキから下りることが出来る階段も作りました。ここには階段があったのですが半分腐りかけていて危ない状態でした。これも端材とコテージを作ったときの梁材で階段板を作り、杉材が安く手に入ったので手摺りや踊り場やちょっと重いスライドドアなどを作成しました。

とりあえずはもう15年ぐらいは大丈夫だと思っていますが、そのころは80才になるので次のメンテナンスが出来るかどうか定かではありません。


【編集後記】

春めいた途端、ガビチョウが鳴きだしました。色々な鳴き声を真似するので飽きませんが、絶え間ないのでうるさいぐらいです。キジも今年は多く、家の周りに4、5羽が常にいます。この声も大きく急に鳴いたり飛び立ったりするので心臓によくない気がします。今は下草や低木が葉をつけていないので山が良く見渡せます。雌の鹿も数頭がいつもウロウロしていて落ちている枝をバキバキ踏みつけながら一気に山を登っていくので、その瞬間何が来たかと、これも心臓によくない気がします。昨年は熊の出没情報があり、イノシシも家の近くで見ているので、裏山の散歩でも余計に警戒してしまうんですね。そんなとき一緒に居る愛犬は全くもって頼りにはならないのです。
見た目は良いが柱が数本腐り始めてきた。
長さがない柱は基礎を嵩上げして対応した。
腐った部分を取り柱を相欠きでつなぎ接着剤とボルトで固定。
ピザ釜の所から上がる階段やスライドドアもついでに作成。短い柱も基礎を3カ所作って嵩上げした。

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