自然派SOHOの田舎暮らし快適実践術
メールマガジン「八ヶ岳の里から」バックナンバー
《第8号》2006年1月18日発行
◆ いなかのSOHO(土地との出合い/原村篇その4)
◆ ログハウスのメンテナンス(ベランダの風除け)
◆ 今週の話題(栗の木の枝枯れ)
◆いなかのSOHO

今回のお話は前号からの続き、土地との出会い(原村偏その4)です。

朝、窓を開けると快晴。雲ひとつありません。

ここのペンションの前が八ヶ岳自然文化園だというのですがここからは小高い土手がさえぎっていて公園は見えません。さわやかな朝だったので散歩をする気になったのですが、正式な入口まで行くのもちょっと面倒だったので、八ヶ岳自然文化園があるというその土手を一気に駆けあがりました。

小高い土手の上にくると八ヶ岳が目の前にきれいに見え、白樺林が芝生に映えてなかなか感じの良い広い自然公園です。ふ〜っと深呼吸をして良く見渡すと左奥が池になっています。数人の人がルアーでキャスティングをしています。一体何が釣れるんでしょうか。それとも練習でしょうかここからではわかりません。

ぷらぷらと散歩をして、ペンションにもどり朝食をいただき、そして、すがすがしい気分で早速別荘地へ車を走らせました。販売事務所に着きました。他には客らしき人はいません。

隣がレストランになっていて、まわりに公園らしき所があり池も有ります。その横にテニスコートが2面ありました。そこでは若い人たちが楽しそうに騒ぎながらテニスをしています。

「見学に来ました。」というと、感じの良い営業の人が、簡単に別荘地の説明をしはじめました。こちらの希望を話すと、めぼしい所をさがしてくれてました。しばらく話をして、そこを見に行くことになり、「それではご案内します。」と車で別荘内を案内してくれました。

いま建っているのは建て売りのモデル別荘が多く、400以上有る区画の内、まだ数十軒くらいしか個人別荘が建っていないといいます。どこも土地の広さが300坪以上あり、ほとんどカラマツと白樺の林です。1区画が300坪以上なのは、自然保護のために県と村と業者との約束があって、1000平米以上でないと売買出来ない決まりがあるのです。

私達の土地の条件は、南が開けていて(日当たりが一番です)、やや平坦で、(家を建てるとき作業がし易い)、価格のできるだけ安いところ(お金がなかったから)、そのなかでも1区画の面積が一番広い所(同じ1区画なら広い方がよい)ということです。

まだほとんど売れていないところばかりだったので、候補は数カ所有りました。選択に迷いましたがその中の一カ所、かなり条件に近い土地がありました。こんなに有っても、希望に近い土地の確率は400分の1です。

 ●気に入った別荘地

そこは、広さが約400坪。

開発前は南北に走る林道が敷地内を分断するかっこうで通っていたとこで、その部分は道をつぶして敷地と一体化させた、半ば埋め立て地のようなものですが、木はだいぶ残っています。たぶんそのために土地の価格も他に比べ安かったのだと思います。南側は支線道路に接していて、さえぎる林もなく日当たり良好です。車からおりて、敷地内を歩き回りました

「東が八ヶ岳側になり、西は高低差が3メートルくらい下がっています。南北も南が高く、メイン道路側が低くなっています。真ん中付近はほぼ平坦です。北側は、別荘地のメイン(幹線)道路で、道路から敷地まで2メートル位の緑地帯が有ります。さらに家を建てる場合には、幹線道路から20メートルのセットバック(建築退)が必要です。

その部分は建物はもちろん構造物は一切作れません。さらに木を切らずに残すように自然保護協定で決められています。敷地内から北を見ると蓼科山がよく見えます。東はやはり一面カラマツと白樺林で近くには家もありません。西隣に和風の山の家が建っていますが木が多いので気になりません。

敷地はメイン道路より1メートルくらい低くなっています。メイン道路に出ると、いままで敷地のカラマツ林にさえぎられていて見えなかった八ヶ岳の阿弥陀岳が迫るように見えます。敷地の西端のところに、木の板に書いた標高板が有りました。林道だった証です。かなり古く白いペンキで1420mと読めます。ぐるっと回って敷地の中央に戻りました。

隣との境付近東側に大きな岩群があり、その横は湿っていました。敷地を東西に横断するように水が流れたような形跡があります。たどっていくと、隣の敷地に岩に囲まれた小さなくぼみがあり、澄んだ水が溜まっていました。「大雨の時はきっと川になる!?」と思いましたが、山だから下に流れていくと思い、あまり気には留めませんでした。

「いつかは、回りに別荘が建ち並ぶのだろうけれど、標高が1420メートルで冬は厳しいから定住する人も少ないはずだ。ここなら広いし回りもきっと気にならないだろう。原野だし何とかなりそうだ……。」

販売事務所に戻り、車から降りるとさきほどテニスをしていた若い女の人たちが声を掛けてきました。よく見ると、ペンションで一緒になった人たちです。
「別荘を買うんですか〜。いいな〜ぁ。」とキャーキャー言ってます。
「いや〜、ただ見に来ただけですよ。」
「グラフィックデザイナーってお金有るんですね〜。」
「そんなお金有るわけないじゃないですか。見に来ただけですから。」

しかして、早くログハウスを建てたかった私は、数日後ここの別荘地を購入するため契約をすることになりました。
(つづく)


◆ ログハウスのメンテナンス《ベランダの風よけ》

我が家のベランダは南に広くとってある。手摺りはすのこ状になっているので風通しがよい。夏は日射しが強いが風が吹くと気持ちが良い。

ここは特に冬は西風が強い場所で、今のような時期は肌を切るような風が吹く時も多い。天気のよい日は冬でもベランダによく出るので、風の強い日はたまらない。

そこで冬場だけの風よけを作ることになった。手摺りはツーバイフォー工法で使う構造材の2×6という寸法のもので作ってあり目透かし間隔は 2×4の寸法で開けてある。センチで言うとすのこ状の板が14センチで、間隔が約9センチになる。

ホームセンターで1×4の板材を買ってきて14センチの間隔ですのこを作り、それを内側から手摺りにはめ込んでネジで留めれば、目隠しが完成。こんな簡単なことで、風道が変わり西風が軽減した。我が家の愛犬もこれでゆっくり冬の太陽をあびることが出来る。もっと早くやればよかったと反省。


◆ 今週の話題《栗の木の枝枯れ》

栗の木は甘いような花の香りが多くの虫を引き寄せる。ハチをはじめとし蝶や、コガネムシみたいなハナムグリ、ハエやアリ、カエルなども姿を見せる。これらはほとんど食害がないので、木にはあまり影響がない。葉を食べるのは蛾で、これが発生すると、たちまち丸坊主になってしまう。

多くの昆虫の中でも木を枯らすのはほとんどがカミキリムシ。ここでは樹木の上の方で被害が多い。夏には葉が茂ってよくわからなかったが、家の前の山栗の木の上の部分が枯れている。ここのまわりの山栗の木はほとんどがこういう状態だ。(栗だけではなく我が家の大事なヤマボウシもやられた。)

秋から葉を落とし始めていまもまだ枯れ葉が残っている中央部分にくらべ、上の方は細かい枝もなく白くカビた太い枝が目立つ。強い風で落ちた枝をよく見ると小さな穴がいくつもあいていた。カミキリムシの幼虫の仕業だ。


【編集後記】

春のような陽気で、普段なら雪のはずが強い雨が降った。以前住んでいた原村でも、ミゾレのような雨だったようで、圧雪された所に降って、明け方冷えたため路面はツルツルのアイスバーンになってしまったようだ。こうなると、四輪駆動の自動車で冬タイヤを履いていても、油断すると簡単に滑る。
以前同じような状況の時、下りの右カーブを曲がりきれず、側溝に落ちそうになったことがある。ゆっくり下っていたが、ハンドルを軽く切った途端にス〜ッと滑り出した。雪になれていて路面状態を甘く見ていたため、曲がるときブレーキを無意識のうちに踏んでいた。慣性の法則を習ったことがあるので滑るのは当たり前と気づく。体で覚えた瞬間だ。それ以降はその法則にできるだけ反しないように十分注意している。
ペンション前の自然文化園から見る八ヶ岳。手前にはまるやち池が雲を映している。
メイン道路(奥)と支線道路にはさまれた土地。白樺と唐松が生えているが白樺は最近植林したようである。広さは約400坪。
第1ロータリーから入った支線道路。中央に車が止まっているがその左側が目的の別荘地。ここからも阿弥陀岳がよく見える。

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