自然派SOHOの田舎暮らし快適実践術
メールマガジン「八ヶ岳の里から」バックナンバー
《第6号》2006年1月4日発行
◆ いなかのSOHO(土地との出合い/原村篇その2)
◆ ログハウスのメンテナンス(水道などの凍結防止対策)
◆ 今週の話題(カラスのいたずら)
◆いなかのSOHO

今回のお話は昨年からの続きで土地との出会い(原村偏その2)です。

 ●最初の候補地は、茅野市にある鏡湖です。

掛川からバイパスで藤枝に出て焼津インターから東名高速に乗り、清水インターで降り、そこから山梨県の韮崎まで国道52号線で行きます。韮崎までの所要時間はおよそ2時間30分。

韮崎で富士川を超え、ここから国道20号で長野県に入ります。諏訪湖方面をめざして富士見町を抜けて茅野市に入ります。茅野市に知り合いがいたので鏡湖に行く前にちょっと情報を聞きに立ち寄りました。

その家は土建業なので、仕事柄地元の土地情報を持っているかも知れないと思い、事前に話しはしてあったのですが、その返事を期待をこめて聞いたところ

「山の中の土地は知らないが、別荘地ならいろいろあるよ」とのこと。

山の中の土地情報は別荘地ぐらいしかないようで、個人で土地を売る人も滅多にいないそうです。(不動産屋の情報はあるそうですが、高いのが難点。)

もし個人で売る土地があつたとしても、そこに行くまでほとんどの場合手入れがされていない林道を通りながら行くので、資材を積んだトラックが入れるようにその林道を整備しなくてはならなくなります。長い目で、土地だけを確保しておくというのならいいかもしれませんが、すぐに家を建てたいというなら止めた方が無難です。

当然、水も電気もありません。そういうところは土地は安いけど、後が大変です。今から行く鏡湖は、地元地権者の林野組合が管理しているというリゾート地の中にあり別荘地も売りに出しているというところ。

南アルプスの長野県側に位置しているので、上の方は景色もよく八ヶ岳もきれいに見えます。自然散策観光やヘラブナ釣りで人気があると言うのですが、行ってみると道はくねくねして、売りに出ているという土地もあまり広くなく、おまけに東斜面なので日没も早く、「希望の地」とはほど遠いので、残念ですが見るだけにしました。


 ●鏡湖を後にして八ヶ岳へ

鏡湖から降りてくると国道20号線にぶつかります。茅野駅に向かって走り茅野駅の手前の宮川交差点を右折します。次に目指すは八ヶ岳の裾野にある原村の中央高原別荘地です。

御柱街道をどんどん上に向かって走っていくと、周りの住宅がだんだん淋しくなってきました。視界をさえぎるものがなくなり、いっきに田園地帯に突入です。八ヶ岳が全部見渡せるところにでました。目的地はその山の中腹にあります。阿弥陀岳の下の方をみると森林境界がなんとなくわかります。たぶんそのあたりが目的地のように思えます。ここから10キロくらいの所です。

もう夕方になってしまいましたが車を八ヶ岳に向かって走らせ、やっと目的の別荘地入口につきました。周りはカラマツ林と白樺ばかりが目立ちます。もう薄暗くなり、家もほとんど建っていません。メインの道路はカラマツの林を左右に分けるようにして一直線に八ヶ岳に向かっています。まるで山に吸い込まれるような感じです。

今日は見学しようにもうす暗くてよくわからないので、明日もう一度見に来ることにしました。ここから数分下るとすぐに原村のペンションビレッジがあります。今夜は前日予約を入れてあった、あるペンションに宿泊します。

 ●はじめて泊まったペンション

当時、話題になっていた新しい業態である、若者に人気のあるペンションに興味があったので、どういうところか一度泊まってみたかったのです。そこはペンションビレッジというだけあって100軒近いペンションが建っています。どこも電気がついていて賑やかで、かっこいい住宅団地みたいです。

こんな山でも生活が成り立って居るんだな〜と、感心することしきり。

目的のペンションに入るとアラジンの石油ストーブに火がついていました。一瞬目を疑いましたが、一年の半分近くは暖房するそうです。この時期でも朝晩はストーブを焚くそうですがその代わり夏は冷房はしなくても良いくらい涼しくて快適だそうです。

もう奥のホールには先客がいます。若い女の子が3人と、若いカップルが1組。紹介され、挨拶をして、簡単な設備の紹介があり、今日泊まる二階の部屋に案内されました。シングルベットが2台ある狭い客室です。他の客室もほとんど同じようで、7、8室は有ったようです。

お風呂を先にどうぞ。と言うので早速行きましたが普通の風呂で脱衣場や入口は身体を斜めにしてすり抜けるように入りました。民宿の風呂とあまり変わりません。それでも、風呂は身体をリフレッシュしてくれます。お湯もすべすべしてとても気持ちの良いお風呂でした。

そのうちホールでみんなと一緒に食事がはじまり、一段落して、オーナーに八ヶ岳や地元原村のいろいろな話を聞きました。

それは生き方が変わりかける瞬間でした。
(つづく)


◆ ログハウスのメンテナンス《水道などの凍結防止対策》

暖かな静岡で暮らしていたせいか長野の冬はやはり寒〜い。家の中は暖かいのですが外の気温は零下になり、そのままでは水道管も冬場には凍結してしまいます。

凍結深度というのがあって、原村では120センチ、富士見町では80センチだそうです。まさに大地が凍るのです。それを守らないで施行すると大寒波のときに基礎が持ち上がったり、水道管が凍ったりしまいには破裂したりすることもあります。

したがって、家の中に引き込むため地上の水道管には保温材とともに凍結防止ヒーターを巻き付けなければなりません。今ではだいぶ性能の良いサーモスタット付のヒーターが出ているので安心できますが、多くはプラスの3度くらいで通電し始めるのであまり経済的でありません。

我が家の場合は、もしサーモスタットが故障した場合に保温材を取ったりヒーターを巻き直したりが大仕事になりそうなので、最初からサーモスタットの付いていないヒーターを取り付けました。

しかし、このままではいつも通電していて大変な電気料になるので、元電源用のサーモスタットをそれぞれのヒーターに取り付けています。外気温がマイナス4度くらいから働く節電タイプのサーモスタットです。万一サーモスタットが故障しても、コンセントから抜いて凍結防止ヒーターを直接電源につなげば、急場もしのげて交換も簡単です。


◆ 今週の話題《カラスのいたずら》

我が家では水源地の井戸から水を引いています。その井戸の横に取水口がありそこからすぐ近くのポンプまで水道管を引いてあり、長さが3メートルほどで地面すれすれに設置してあります。すべて露出しているので凍結防止用に保温材とヒーターを巻き付けてあります。

時折、カラスの群が畑に飛来して、数十分位野菜の残りなどを突いたりしていることがあります。多いときには100羽を越えるときもあり、ときおり数羽が畑近くの井戸にもカァ〜カァ〜鳴きながら飛んでいきます。

ある日カラスがまた飛んできました。露出している水道管に数羽がとまって、なにやら突きながら放り始めました。白っぽいものや黒っぽいものなどを、突いては投げを、繰り返しています。

見ていて面白かったのですが、いや〜な予感がします。花火で脅してその群れを追い払い、急いで井戸まで駆け下りていきました。突いていたのはやはり水道管。白く見えたのは保温材、黒く見えたのは保温材を保護するために巻いてあるテープ。そらじゅう穴だらけ、残骸だらけになっています。ヒーター線にまで突いた跡があります。こうなると保温材の意味はまったくありません。保温材は径が60ミリで厚さが10ミリのウレタン。替わりの物は手元にないので、残っていた保温材をカットして突いた穴に埋め込み、保護テープの巻き直しをして補修。

カラスの被害は家の近くにおいてあるユンボ(重機)にも及び、座席は中が見えるくらいにボロボロになっています。
これもカラスの仕業。まったくもってカラスはいたずら好きです。

【編集後記】

新しい年がはじまりました。例年は大勢集まって餅つき大会をして、その餅を正月に食べるのが恒例でしたが、今回は人数も集まらなかったので餅つきは中止になりました。近所の陶芸家につきたての餅をいただいたので、それで雑煮を作りたべましたが、伸びもコシも我が家で杵と臼でついた餅には到底およびません。何が違うのでしょうか。面倒でも、一臼くらいついておけば良かったと、新年から後悔しています。
現在は20号線から車が入りやすくなっているが以前はとても入りにくいY字路だった。
別荘地のメイン道路。阿弥陀岳に向かって登って行く。家は殆ど建っていない。
宿泊の記念で頂いた陶器の小物入れ。ペットの犬と猫が一緒に寝ているイラストが描かれていて、ペンションながくつのオーナーの作品だそうです。

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