掛中生徒達の溜まり場
Vol.45 1983.12月号掲載 
 この写真は、連雀と中町の交差点角(現在のアンデルセンが建っている場所)で営業していたイシバシヤ(昭和16年頃の撮影)。昭和13年5月15日にオープンしたが、それ以前は戸田書店という店だった。戸田書店の頃から掛中(現在の掛川西高)の生徒達の溜まり場となっていて、それはイシバシヤの代になってからも続いた。生徒達はお腹が空けば食事をねだり、店の中でタバコも吸った。
 その辺のことは、教師も十分承知の上で、「子ども達をよろしく頼みます。」と、わざわざ訪ねてきたという。タバコを吸うことにも、「悪いことじゃないで、心配していない。」と言ったとか。
 さて、その当時の生徒の2〜3割が、戦争という犠牲者となった。そして、戦争のために衣料品も食料などと同様に配給制度が布かれ、各市町村の役場から一人当たり90点の点数が割り当てられたそうである。下着を買えば何点、靴下を買えば何点というように、衣料品を買うごとに点数が引かれていく仕組みだ。貧しい人々は、お金のある人に、その点数を売ったりもした。