袋井銀行原川支店
Vol.41 1983.8月号掲載 
 これは大正時代の「袋井銀行原川支店」の写真。旧国道沿いにあって、支店長と行員の二名だけという、いたってのんびりとした銀行風景である。着物を着て仕事をしている所は、現在と違ってなかなか風情がある。

 今では銀行と何らかの関わりを殆どの人が持っているが、当時は、一般労働者やお百姓は、無縁のもの。利用者は、主に地主や商店主などだから、このような小さな銀行で十分ことは足りたのだろう。

 当然、コンピュータなるものは導入しておりませんが、あるのは六玉のソロバンだけ。それにしても手前にある吸い取り紙の道具だけは今の時代と変わっていませんね。さて、この袋井銀行は、その後静岡三十五銀行と合併して、さらにいくつかの銀行が集まって、現在の静岡銀行となったわけです。

 大正8年2月16日から実行された預金利率は、小口通知他預金が日歩一銭八厘以下、当座預金が日歩一銭以下でした。(写真は左が支店長の戸塚氏、右が宮川氏)