郷愁のSLサウンド自主制作LP          松浦貞夫さん(30才)領家
Vol.27 1982.6号掲載 
「郷愁のSLサウンド」LPレコードジャケット
SLに魅せられた掛川市領家の松浦貞夫さん(30才)は、ついに自主制作のLPレコードまで出してしまった!
                    (文:やなせかずこ)


SJに惹かれて、18才の時からカメラやテープレコーダーを担いでは、大井川鉄道に出かけてSLを撮り続けてきたという松浦さんは、現在30才。12年間、毎週一回以上、年間にすると100日ぐらいはSLと付き合ってきたと言う。

石炭をくべる音、汽笛の音色や、姿形は新幹線では味わえない何かがあるという。一時、SLブームが最高に盛り上がったことがあるが、ブームは一時のものであって長くは続かない。最後は本物だけが残っていくのが世の常である。松浦さんは、大井川鉄道が走り始めて以来、SLの虜となり、現在に続いている。そして、これからもSLが走っている限り松浦さんのSL通いは続くことだろう。

松浦さんは、「自分の足跡を何かの形で残していきたい」と考えるようになった。そして、今年の3月21日、ついにレコード化が実現した。今までの記録を集約したこのレコードの中には、石炭をくべる音や汽笛の他に、乗務員や乗客の話し声、ヒグラシゼミの声や雨の音が情緒的に織り込まれていて、聴く者に、本当に自分がSLに乗っているような錯覚を起こさせてくれる。今までにも他の人が出したSLのレコードが何枚か出ているが、大井川鉄道だけ、しかも運転室に入り込んで録音したものは初めてである。

大井川鉄道のSLは、毎週金・土・日曜日に走っている。夏休みになればほとんど毎日のように走り続けて、お年寄りには昔の想い出を、子ども達には素敵な夢を一緒にのせて運んでくれる。しかし、故障して部品が無くなればそれで終わりだ…。


このレコードは500枚の限定発売になっています。希望者は大井川鉄道か掛川サウンドでお買い求め下さい。
◆大井川鉄道株式会社SLセンター tel.05474-5-4111
◆松浦貞夫 掛川市領家228 tel.05372-2-6871
完成した「郷愁のSLサウンド」と松浦さん
収録サウンド
A面

1.出発進行
  新金谷〜神尾間
2.蝉時雨の中を行く重連
  五和〜神尾間通過
3.冷たい春の雨
  笹間渡〜地名間通過
4.ひぐらしとブラスト
  笹間間〜地名間通過
5.力走C11
  笹間間〜地名間通過

B面

1.大いなる鉄路
  家山〜地名間
2.リズミカルな旅路
  駿河徳山〜青部間通過
3.汽笛よ永遠なれ
  家山駅発車、通過