英文タイプクラブ
Vol.54 1984年9月号掲載
英語を知らなきゃ、早く打てない

アメリカでは、タイプライターは必需品となっているようだ。文字も読みやすいし、慣れてくると手で書くよりも数倍早く表現できるようになるからだ。持ち運びも簡単でどこでも打てる。よく、映画などで、車中やホテルの部屋でタイプを打っている場面が出て来るが、動いている車の中でも、文字が曲がったりいびつになることもなく、書くよりもきれいに読みやすく仕上がるからでしょうね。

英文の場合は、文字数が少ないから良いようなものの、文字の多い和文のタイプライターでは、とてもこうはいかない。日本でも英文のタイプライターを
持っている若者がかなり増えてきた。それだけ英語が普及してきたことなのでしょうか。


軽〜いリズムが心地よい


常葉学園短期大学の英文タイプクラブ室の前に来ると、タイプのキーを打つカタカタという軽いリズムが心地よく耳に響いてくる。部屋の中には100台以上あろうかと思われるタイプライターがズラリと並んでいる。

クラブには現在23名の部員がいて、全員が英文科の学生。やはり将来を考えて入ってくる人が殆どで、旅行会社や貿易関係の就職を希望している。特に旅行会社を目指している人が多く、その競争率は高いという。

このクラブが他のクラブと違うところは、皆でワイワイやるのではなく、打ち始めると、それぞれが自分の中に閉じこもってしまって、活動中はコミュニケーションがないことだろう。

「だから、今までは個人個人が時間の空いているときに来ては適当にやっていた面があったので、もっと徹底してみんなで盛り上げていくクラブにしたい。」と、部長さん。そこで、今年は全員が検定試験を受けることを目標にして頑張っているとのこと。


早打ちマックも、真っ青!


タイプを打つ手先を見ていると、その速さにびっくりする。目はテキストに集中しているので、タイプライターの方はほとんど見ていない。手が文字の在処を完全にマスターしているようだ。いくらアルファベットの
文字が少ないからといっても、ここまでマスターするには大変なんだろうなとつくづく感心してしまう。

検定試験は、当然早くてミスがないことが一番重要なんだけど、A級、B級クラスになると、レイアウト等があって、もう少し高度な技術が必要になってくる。初めは大変だけれども、早く打てるようになれば、だんだんと楽しくなり、技術も向上してくる。希望するところに就職するためにも、11月の検定試験はぜひ頑張ってもらいたい。